日本の少子化対策は今、大きな分岐点に差しかかっている。 政府は31日、今後3年間に集中して取り組む「次元の異なる少子化対策」の試案をまとめた。若い世代の所得を増やす構造改革や児童手当の所得制限撤廃を明記。出産費用の保険適用導入も検討する。岸田文雄首相の下に新たな会議を設置し、6月までに財源も含めて具体化を目指す。 試案では2030年代から若年人口が現在の倍の速さで減少するとし、向こう6~7年が少子化傾向を反転できるかどうかのラストチャンスだと指摘。岸田首相は17日、「まさに効果のある少子化対策」が求められているとし、「時間との闘い」である少子化対策への理解と協力を国民に求めた。 今や多くの国と地域に共通する喫緊の課題となった少子化問題に、改善の糸口は見つかるのか。世界に先んじて進む日本の少子化の現状と見通しを、データや専門家の見方を基に探った。 1. 少子化の今と未来 22年に生まれた子