本連載は、企業の成長に不可欠な「データ活用」を推進していくために必要なデータ基盤の基礎を“あらためて”解説していきます。今回は、Oracle Databaseのクラスタリング機能である「Oracle Real Application Clusters(Oracle RAC)」の基礎と仕組みを解説します。【更新版】
「京」は、大規模並列環境でプログラムを高速に実行するために、様々な新しい技術を取り入れている。「京」のハードウエアの中で最も重要な構成要素であるCPUとネットワークについて解説しよう。 「京」のCPUは富士通が設計・製造した「SPARC64 VIIIfx」。このCPUは、45n(ナノ)mの半導体プロセス技術で製造した、8コアのスーパースカラー・マルチコアプロセッサで、チップ当たり128GFLOPSの性能を持つ。 高速化のため、このCPUは様々な新機能を取り入れている。SIMD*6と呼ばれる演算機構や、コア当たり256本の浮動小数点レジスタ、6Mバイト(12way)の共有2次キャッシュ、キャッシュを効率良く利用するための「セクターキャッシュ機構」、コア間の同期を高速に実行するための「バリア同期機構」などだ(図5)。 *6 SIMD(Single Instruction Multiple Da
2011年6月に世界最速として認定されたスーパーコンピュータ「京」。Linuxを搭載したスパコンでどうやって最速を実現したのか――。OSやミドルウエアを改良し、独自ハードウエアの性能を最大限にまで引き出せるようにしたシステムの内部を徹底解説する。
富士通は8月8日、解析シミュレーションのクラウドサービス「TCクラウド」の提供を発表した。 TCクラウドのサービス構成は、解析シミュレーション実行用のプラットフォーム「解析プラットフォーム・サービス」、解析アプリケーションの「解析アプリケーション・サービス」、解析シミュレーションの導入・運用を支援する「解析ヘルプデスク」の3つ。2011年第3四半期より順次提供していく。 解析プラットフォーム・サービスでは、ユーザーごとに解析シミュレーション環境を構築、その環境をクラウドサービスとして提供する。ユーザーの計算資源とTCクラウドを連携させることが可能で、解析対象に応じて最適な計算資源で解析させることができる。 同サービスでは、仮想マシン環境で提供する小規模解析向けの「スピーディークラス」、物理サーバ環境で提供する中規模解析向けの「プレミアムクラス」、高速ネットワークで接続されたHPC環境で提供
HAクラスタは、複数のコンピュータ(以下、ノードと呼ぶ)が相互に通信して健全性を確認し、健全なノードのどれかでサービスを提供することによって、全体として可用性を高める。 したがってHAクラスタには、次の2つの要素が不可欠だ(図1)。 ・健全性を相互に確認するためのノード間の通信 ・健全なノードでサービスを動かすための判断と制御の仕組み 前者を担当するのがHeartbeat、後者を担当するのがPacemakerになる。 Heartbeatは「クラスタノード管理システム」として動作する。Heartbeatを実行しているノードは、「ハートビート」と呼ぶパケットを他のノードに向けて定期的に送信する。他のノードは、応答を返す。一定時間以上応答がないノードは、ダウンしたと見なされて、クラスタノードから取り除かれる。 これに加えて、HeartbeatはPacemakerが必要とする通信を仲介し、Hear
「障害が発生しても止まらないシステムを実現したい」「災害に備えたリアルタイムの遠隔バックアップやシステムの二重化を行いたい」「大容量データをバックアップしたい」---震災以来、これらはシステムにとっての大きな課題となっている。 これらを実現するHA(高可用性)システムは、無償で利用できるオープンソースソフトウエア(OSS)で実現できる。そのためのOSS群が「Linux-HAクラスタスタック」である。 Linux-HAクラスタスタックは、仮想化環境やクラウド環境で使うこともできる。今回を含めて5回にわたって、Linux-HAクラスタスタックおよびこれを構成するソフトウエアの概要を紹介する。 HAクラスタの仕組み サーバーハードウエアの故障やメンテナンス、ソフトウエアの動作障害については、2台のサーバーを用意して、Linux-HAクラスタスタックのHeartbeatとPacemakerなどのク
オープンソース・ソフトウェア「Hadoop」のMapReduceジョブは、標準ではJavaで記述します(その他には、Pig、Hive、JAQLといったものがあります)。しかし、意外と初心者には分かりにくいと筆者は感じます。本記事では、MapReduceジョブのサンプルコードを使って、できる限り正しくコードの意味を理解し、MapReduceへの入り口を示したいと思います。 HadoopでMapReduceを記述するときに使うAPIが、0.19から0.20に変わるところで新しくなっています。実は、現時点でHadoopプロジェクト本体からでさえも、新APIを使ったサンプルが提示されていません。本記事では、新しいAPIで筆者が書き直したサンプルを使って解説しますので、このサンプルは0.19以前のHadoopでは動かないことに注意してください。この記事は、0.20.2を使って検証し、解説しています。
今回は、4台のサーバーからなるHadoopクラスタの構築手順を紹介します。10台程度までは、そのまま計算ノードを増やすことができますので、本格活用に向けた実験を始めるのに最適な構成です。 「Hadoopは安価なコモディティ・サーバーを使用する」と説明されることがありますが、これは、あくまで標準的なx86サーバーを使用するという意味です。大量のデータを高速に処理するには、それなりのスペックが必要で、Hadoopのデフォルト設定では、8コアのCPUと8GBのメモリーを搭載したサーバーが想定されています。 Hadoopの導入手順 ここでは、図1の4台のサーバーを使用します。ホストネームは、管理ノードがhdpmgmt01、計算ノードがhdpnode01~03です。それぞれ、4コアのCPUと4GBのメモリーを搭載したサーバーとします。異なるスペックのサーバーの場合は、後述の設定パラメータを変更してく
前の記事 「ビートルズ名曲冒頭の音の謎」に音楽編集ソフトが挑戦 中国政府、ネット工作員を28万人配備:「グリーンダムたん」も登場 次の記事 『PS3』OSアップデートで、手作りスパコンが危機に 2010年3月31日 IT コメント: トラックバック (0) フィードIT Priya Ganapati Gaurav Khanna博士の8台のPS3は、Linuxと独自コードを使用して複雑な演算をこなしている。画像は別の日本語版記事より ソニーは4月1日(日本時間)から、ソフトウェア・アップデートの提供を実施する。このアップデートでは、スリムになった最新型『PlayStation 3』(PS3)よりも前のモデルのPS3においては利用することができた「他のシステムをインストールする」機能が無効になる。この機能を使うと、コンソールで『Linux』を実行することができたが、ソニーによると、「セキュリテ
Hyper-V 2.0のLive Migration――仮想マシンはクラスタの夢を見るか?:Tech・Ed 2009 Session Report 会期中、開発者やシステム管理者向けに各種テクニカルセッションが行われるTech・Ed 2009。本稿では「仮想マシンはクラスタの夢を見るか?」と題されたセッションでマイクロソフトにより紹介された、Hyper-V 2.0のLive Migrationについて解説する。 今や、サーバの高可用性を実現するテクノロジーとして、仮想サーバ技術やクラスタ化は当然のものとして認識されている。昨年、Windows Server 2008とともにリリースされたHyper-Vは、Windowsプラットフォームで実現する仮想化技術として注目されているが、いよいよ出荷段階に入ったWindows Server 2008 R2に搭載されるHyper-V 2.0は、クラスタ
VMware ESX Serverでは複数のゲストOSを稼働できる。そのため,ハードウエアに障害が発生し,VMware ESX Serverがダウンした場合,ビジネスに対する影響が非常に大きい。VMware ESX ServerやゲストOSの可用性,信頼性を高める必要がある。 そのためには,高可用性,高信頼性をもつサーバー・マシンを選択することも考えられるが,ソフトウエア機能によって可用性を向上させることも可能である。例えば仮想マシンのクラスタリング,VMotion,VMware HA,VMware DRSといったVMware機能によるソリューションである。ここでは,このような仮想サーバー環境の高可用性を実現する機能について,概要と構成上の注意点について説明する。 仮想マシンのクラスタリング構成 VMware ESX Server上で稼働する仮想マシン同士で,クラスタリングを構成することが
仮想化ソフトウエアによって,1台の物理的なコンピュータ上で複数のOSを稼働できるようになった。仮想化は,データ・センターのような大規模環境でのサーバー統合にも適用できる。 だが,仮想マシンをどんどん増やしていくと,ふと気づくことがある。仮想化ソフトウエアによるサーバー統合には,1台の物理サーバーで1つのOSだけを稼働している環境ではありえなかった大きな「課題」が存在するのだ。その課題とは,「複数の仮想マシンが1台の物理的なコンピュータのリソースを互いに奪い合う事象をどのように制御するのか」である。すなわち,各仮想マシンに対するリソースの割り当て方法である。 コンピュータのリソースとは,一般的に次の4つを指し示すことが多い。(1)プロセッサ,(2)メモリー,(3)ディスク,そして(4)ネットワークだ。ここでは,これらのうち,VMware Infrastructure 3で機能が大幅に拡張され
Force.com ~ 100%ビジネス向けのクラウド 次にセールスフォース・ドットコムの及川氏が同社のクラウド「Force.com」について説明。及川氏は“ただのGeekでいられない”というキーワードを掲げ「テクノロジーを追求する開発者であるGeekと、経営者や管理職、IT以外のビジネスマンをSuitsとすると、その間を取り持つのが『Force.com』です。純粋な開発環境というよりは、ビジネスに寄ったものと考えてください。開発者は、技術だけを追いかけていてはダメで、オーダーしてくるお客さまのビジネスの成功を考えなければなりません」と、開発者のあり方について話した。 及川氏は「クラウドコンピューティングといってもいろいろあります。Facebookはコンシューマー向けのソーシャルアプリケーションを実現するプラットフォームで、AmazonやGoogleはCPUやストレージを中心に一般向けのW
ここ数年、サーバシステムの低コスト化が顕著になってきており、IAサーバにいたっては手軽に導入できる数万円のものから、ストレージを含めて数千万円にもなる堅牢なものまで多種多様に存在するようになった。また64bitやデュアルコアなど、CPUの急速な進化もあり、それほどコストを掛けずに、ひと昔前では考えられなかったパフォーマンスを発揮するようになっている。 アプリケーションについても、エンタープライズ用途に十分に使える商用ソフトも多くなり、またオープンソースソフトウェア(OSS)はIAサーバでの利用がかなり進んできており、イニシャルコストの削減に寄与しているのはご存知の通りである。 そのためIAサーバは、部門サーバやフロントエンドサーバから基幹システムに至るまであらゆる用途で利用されてきている。またIAサーバに限らず、システムに重要な業務をさせるためには、導入する際に如何にシステムの持続性を確保
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