【ベルリン=三好範英】強力な感染力と毒性を持つ新型大腸菌の感染が欧州で拡大している問題で、ドイツ・ニーダーザクセン州の州政府は5日、同州内で生産されたモヤシが感染源だった疑いがあると発表した。 感染者が摂取した食物を追跡調査した結果、多数の感染者を出した北部ハンブルクの近郊にある農場で生産されたモヤシが感染源の一つだったとみているという。 腸管出血性大腸菌O(オー)104とみられるこの大腸菌への感染は、ドイツで5月中旬に表面化。ドイツでは当初、感染源はスペインから輸入されたキュウリとの見方が広まり、大量のキュウリを廃棄したことから、スペイン側が反発していた。 ドイツ保健当局によると、同国ではこれまで、O104から溶血性尿毒症症候群(HUS)を発症して21人が死亡、感染者は1526人に上る。スウェーデンでも1人が死亡した。