シノドスの新しい挑戦である「シノドス国際社会動向研究所」(シノドス・ラボ)はいったい何を目指そうしているのか? 立ち上げメンバーの橋本努、吉田徹、高史明が語り合った。(構成/芹沢一也) 橋本 昨年、2016年にイギリスがEUを離脱し、今年になってアメリカでトランプ大統領が誕生しました。そしていまヨーロッパ諸国では、難民受け入れ反対運動などが盛り上がり、ポピュリズム政治への期待が高まっています。こうした動きはすべて、リベラル・デモクラシーへの脅威ではないか、そのような警戒感も高まっていますね。 吉田 象徴的なことに、英エコノミスト誌の調査部門EIUが毎年作成しているデモクラシー指標で、アメリカは2016年に「完全な民主主義」から「欠陥のある民主主義」に引き下げられました。これはトランプ大統領の誕生を受けてのことではありません。その前から政治不信の高まりを受けての判断でした。こうしたエリートや