化学と物理学の国際団体でつくる合同調査委員会は21日、理化学研究所のチームを原子番号113番の元素の発見者として認める論文を正式に発表した。これで、新元素の命名権をアジアで初めて日本が得ることが確定した。今後、名前を決める手続きに入る。 論文には、合同調査委による詳しい審査内容が記されている。113番元素の命名権は森田浩介・九州大教授ら理研チーム、115番、117番、118番は米ロのチームが得る。今後、名前と元素記号の案を国際純正・応用化学連合(IUPAC)に提案し、承認を求める。 森田さんらは、原子番号30番の亜鉛を83番のビスマスにぶつける方法で113番元素を人工的に合成。04年に最初に論文を発表後、12年までにさらに2回作成し、より確実なデータを提出した。米ロチームは理研より前に合成を報告していたが、作成の証拠となるデータが不十分とされた。(竹石涼子)
2003年(平成15年)8月、ロシアのドゥブナ合同原子核研究所とアメリカのローレンス・リバモア国立研究所による合同研究チームがアメリシウムとカルシウムから115番元素[注 2]の元素合成に成功し、翌2004年2月、そのα崩壊の過程で0.48秒間、113番元素を観測したと発表したが[4]、当時は113番元素についての命名権は得られなかった。 この実験は80日間にわたって、2.8×1012 個/秒(1秒間に2.8兆個)の亜鉛原子核をビスマス原子核に約 1.7×1019 回照射した。生成した113番元素の原子核は344マイクロ秒 (3.44×10−4 s) でα崩壊し、レントゲニウムの同位体となったのを、同年7月23日に検出している[6][7][9]。また2005年4月2日に同じ方法で行った合成で2個目の例を検出した。 2006年(平成18年)6月には、ドゥブナ合同原子核研究所とローレンス・リバ
図:元素周期表(提供:理化学研究所) 理研・仁科加速器研究センターの森田浩介准主任研究員らのグループが長年取り組んできた新元素合成の実験で、新たな成果が生まれました! 2004年、2005年に続き、今年8月に3度目の合成とその新たな崩壊経路を確認することに成功しました。これは、新元素の発見の「確定」につながる成果であります。 今回の合成は、実に7年ぶりの成功であり、実験開始からこれまで、元素合成のために原子を衝突させた回数は100兆回を超えます。森田准主任らの努力と忍耐の結晶と言える、すばらしい成果です。 図:今回新たに確認された113番元素の崩壊経路とその時間経過(提供:理化学研究所) 113番元素は、合成されてわずか0.667ms(約1万分の7秒)で次の元素へと姿を変えます。またその元素も次の姿へ、と次々に姿を変えていき、わずか135秒の間に6回の変身を行います。 そして、今回の成果に
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