覚悟はしていたけれど、 新しく生まれ変わった余部鉄橋を見て かなりショックを受けました。 そんな余韻にひたる間もなく 余部駅で僕を迎えてくれたのは、 鉄橋の下にお住まいのみなさん。 旅館のおかみさんや 仕事のかたわら親子で余部鉄橋グッズを 販売する売店を営んでいる方々です。 彼らの夢は? 「新しくなった余部鉄橋の魅力を発信したい」 みなさんにとって余部鉄橋はどんな存在でしたか? と訪ねると 「庭の柿の木みたいだね」 「私にとっては山みたいなもの」 つまり、いつもそばにあってあたりまえの存在だったそうです。 いま旧余部鉄橋は3本の橋脚を残して、すべて解体されていますが、 古い橋に列車が通らなくなり、カッターで切断しはじめたときは、 「その音が鉄橋の呻き声に聞こえて辛かった」 と語ってくれました。 せめて橋を存続しようと活動したものの、 将来起こりうる錆落ちや崩落などを危惧した 鉄橋下の住民の