ビートたけし(中央)らたけし軍団、マサ斎藤、ベイダーを前にマイクで客をあおるダンカン(1987年12月、両国国技館) 【プロレス蔵出し写真館】「金返せ!」「やめろ!」コールが鳴りやまない観客席。あちこちからリングにあらゆる物が投げ込まれた。紙コップ、缶、ゴミ袋、座布団、おにぎり、みかん。取材していて身の危険を感じたのは、あのときだけ。 それが発生したのは、ちょうど今の時期。今から37年前の1987年(昭和62年)12月27日、両国国技館で起こった新日本プロレスの3大暴動事件の1つだ。 この日、メインイベントはアントニオ猪木のIWGPヘビー級王座に長州力が挑戦する3年ぶりの一騎打ち。セミは藤波辰巳(現・辰爾)&木村健吾(後の健悟)組VSマサ斎藤&TPG(たけしプロレス軍団)の刺客ビッグバン・ベイダー組だった。 藤波、木村が先にリングに上がりベイダーを待つ。斎藤がベイダーを従え入場。たけし軍団