なぜもっと話題にならないのだろう? 東京都心の一等地に敷地面積30000平方メートル、建物延べ床面積45000平方メートルの巨大な国立の公共施設が建つというのに。名称は、「国立新美術館」。1995年に開館した東京都現代美術館の1.3倍ほどの規模である。開館予定は2007年春頃、場所は東京メトロ六本木駅の徒歩圏、総工費は365億円という。 これほどの大規模プロジェクトなのに、そのあり方について市民の声を聞くことは、これまであまりなかったように思う。一度建ってしまえば、規模に応じた維持費もかかる。もちろん、反対すればいいというものではない。ただ、365億円と言えば、税金として結構な額である。国民の間で使い道をきちんと考える場があってもいい。 新聞紙上などに国立新美術館の話題が登場することは、時々ある。意外と没個性的な名称が決まったこと、全館が貸し会場で収蔵品を持たないこと、貸し料金の設定に対す