あの悪夢のような一昨年の「郵政総選挙」は、自民党のメディア戦略がズバリ当たった選挙だった。 自民党の「コミュニケーション戦略」は、「コミ戦」という略称が定着したほど有名になったが、実は「郵政総選挙」に先立つ二つの国政選挙、すなわち03年の総選挙と04年の参院選では、コミュニケーション戦略では民主党が先行していた。コイズミ人気の高い中で行われた選挙であったにもかかわらず、この二度の選挙で民主党は党勢を伸ばしたのである。 コミ戦で出遅れたことを悟った自民党は、04年参院選敗北のあと、コミ戦に力を入れるようになる。安倍晋三は、「党改革検証・推進委員会」の委員長として、PR会社を集めてコンペを行い、自民党はプラップジャパンとコンサルタント契約を結んだ。この時、意外にも電通の関連会社・電通パブリックリレーションズは選に漏れている。 PR会社を使う意図について、安倍は、「小選挙区制になって大きく変わっ