「世界経済は大きなリスクに直面しているという認識については、一致することができたわけであります」 5月26日と27日の2日間にわたって三重県志摩市で開かれたG7伊勢志摩サミット。初日に行われた首脳会談で安倍晋三首相は、世界経済の状況についてIMFのデータなどをとりまとめた資料を提示し、「2008年に起こったリーマン・ショック前の状況に似ている」との認識を示した。冒頭の発言はその後、安倍首相が記者団に述べたものだ。 危機意識が安倍首相だけ突出 ところが26日の討議ではデヴィッド・キャメロン英首相が「危機とはいえない」と反論し、フランソワ・オランド仏大統領も記者会見で「私たちは危機の中にいない」と述べるなど、G7に参加した各国の首脳の見解は安倍首相が主張する内容で一致していたとは言い難い。 また安倍首相の経済に対する見解は、23日に公表された月例経済報告とも異なるのだ。同報告の評価は「世界の景
安倍晋三首相は13日、2017年4月に予定する消費税率10%への引き上げを再び延期する方針を固めた。国内外の経済に先行き不透明感が広がるなか、4月の熊本地震による景気への影響も出ている。増税すれば政権の最重要課題であるデフレ脱却がさらに遠のくと判断した。今月26~27日に開く主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)の議論などを踏まえて表明する見通しだ。首相は政府・与党幹部に増税見送り方針を伝えた。こ
やまざき・はじめ/1958年、北海道生まれ。東京大学経済学部卒業。現在、楽天証券経済研究所客員研究員。株式会社マイベンチマーク代表取締役。東京大学を卒業後、三菱商事に入社。野村投信、住友生命、住友信託、メリルリンチ証券、パリバ証券、山一証券、明治生命、UFJ総研など、計12回の転職を経験。コンサルタントとして資産運用分野を専門に手掛けるほか、経済解説や資産運用を中心に、メディア出演、執筆、講演会、各種委員会委員等を務めた。2024年1月1日、永眠。 山崎元のマルチスコープ 旬のニュースをマクロからミクロまで、マルチな視点で山崎元氏が解説。経済・金融は言うに及ばず、世相・社会問題・事件まで、話題のネタを取り上げます。 バックナンバー一覧 2017年4月に予定されている消費税率の10%への引き上げが、延期されるのではないか、という観測が方々で流れている。一国民としては、消費税率が「どうなるのか
2010年6月の自民党・赤沢議員の発言。 第174国会衆議院本会議 - 37号 平成22年06月16日 ○赤澤亮正君 私は、自由民主党・無所属の会の赤澤亮正です。 一方、自民党は、政権交代前から愚直に消費税率の引き上げの必要性を主張し続けて選挙に大敗しましたが、今から思えば、選挙にとって不利になるとわかっていながら、自民党は勇気と真心で国民に真実を語っていたのだなと理解してくださる国民も多いはずです。結果は自民党の正しさが証明されたからです。 言葉の軽い菅総理は、所信表明演説において、超党派で消費税率引き上げを含む税制抜本改革の話し合いをすることを野党に呼びかけました。さも自分の提案であるかのように話す菅総理の姿を目の当たりにして、私は怒りを通り越して半ば笑ってしまいました。与野党で消費税率引き上げなどの話し合いを行うことは、既に二月の党首討論で谷垣総裁から鳩山前総理に申し入れて断られたも
1 毎年、枝野幸男「新春の集い」というのが2月頃あり、ほぼ毎年参加している。 「新春の集い」にはオープンミーティングがセットに通常なっていて、そこで質疑応答時間がある。 あらかじめ質問を考えて参加、というのをしたことはなかったが、今回は質問というか意見をしようと思って、事前に考えていた。この質疑応答時間というのはだいたいダメな人がダメチンな自意識披露時間になるのが普通で、で、ちゃんと頭を整理させておかないと質問時間以内に的確な質問というのはできないものだから、 1;質問内容はあらかじめメールで送っておいて 2;その上で当日質問する という手順にしたいなあ、と、当日ギリギリまで思っていたが、質問内容をじっくりとまとめることが当日までできなかったので、事前にメールしておく、という手順は踏めなかった。 2 当日質問をした内容は以下。 1;なぜ安倍晋三に勝てないのか? 民主党は宣伝に不熱心なのでは
臨時国会召集日に安倍総理が自民党の両院議員総会で「正面から堂々と論戦したい」と発言したのを聞いて驚いた。この政権はこれまで一度も正面から堂々と論戦を行った事がないからである。 最大の事例は集団的自衛権の行使容認を閣議決定しながら、立法作業を先送りし、来年の通常国会の終盤でほんのちょっと議論して決めてしまうスケジュールを描いている事だ。憲法の基本にかかわる問題を「正面から堂々と議論」しない姿勢がこれほど明らかな例はない。こんな事例は世界でも日本だけではないか。 どの国でも国家の基本に関わる問題を変更するには最低2年ぐらいの時間をかけて議論する。それぐらい時間を掛けなければ将来に禍根を残す恐れがあり、国民が納得しないままでは、政治が不安定化する事にもなる。ところが安倍政権にはそうした事を考える姿勢が全く見られない。 見えてくるのは支持率だけを気にするポピュリズム政治である。安倍総理は発足時にア
状況に応じて立場を変える御用学者たちとは違う。俗説に媚びることなく自説を主張し、未来を「的中」させてきた。その冷徹かつ一貫した視線は、いま、日本経済の重大な「変調」を見抜いていた。 とんでもない愚策 私はこれまで安倍晋三政権によるアベノミクスを支持してきました。金融と財政の両面から経済を刺激するというアベノミクスの戦略は、これまでどこの先進国も実行したことがない「経済実験」でした。これを批判的に見る専門家もたくさんいましたが、私は必ず奏功すると主張してきました。 実際、アベノミクスが実行に移されてから、株価も上昇し、景気も回復基調に入ろうとしていました。しかし、私はここへきて、安倍政権の経済政策に懐疑心を持ち始めています。 というのも、安倍政権はこの4月に消費税を5%から8%に増税し、さらに来年にはこれを10%に増税することすら示唆しているからです。 消費増税は、日本経済にとっていま最もや
都内の銀行で1万円札を数える行員(2010年9月22日撮影、資料写真)。(c)AFP/Yoshikazu TSUNO 【8月9日 AFP】財務省は9日、6月末時点での国の借金が初めて1000兆円を超え、約1008兆円に達したと発表した。 先進国の中でも日本の債務残高は経済規模の2倍と最悪レベルにある。そのほとんどが、国債や借入金、政府短期証券などだ。 国際通貨基金(IMF)は5日、消費税率引き上げを含め、信頼性のある財政再建策を導入するよう日本に求めた。 安倍政権は消費税率を2015年までに現在の倍となる10%に引き上げる案を検討中だ。だが、消費税率を引き上げれば、政権が経済政策の目玉とする「アベノミクス」に歯止めがかかると懸念する声もある。(c)AFP
Journalism 2014年1月号 出版社/メーカー: 朝日新聞出版発売日: 2014/01/10メディア: 単行本この商品を含むブログ (2件) を見る もうすぐ消費税率引き上げなので、その前に昨年末に書いた原稿をアップしておく。朝日新聞の雑誌「Journalism」が、2014 年の経済ジャーナリズムについてということで、要求通りのものを書いたのですよ。 ところが、ゲラまで直したあとで、いきなり編集長判断でボツ、とのこと。 その後、実際の雑誌が出たのを見たところ……とにかく全編、なんでもいいからとにかく安倍政権批判をしなくてはいけない、という至上命令が下った模様。群靴の音だ、秘密保護法でやりたいほうだい、政権の私物化だ云々。全部そんな記事ばっかり。え、2014年のジャーナリズムのあり方についての特集じゃなかったんですか―― ジャーナリズムは秘密保護法に反対しなくてはならない、よって
安倍首相は悩んだ結果、10月1日に消費税増税を表明しました。ただ、記者会見を見る限り、安倍首相は今回多少の誤解をしたまま増税を決断した可能性もあります。 安倍首相が消費税率8%への引上げを表明した時の記者会見を振り返ってみましょう。 安倍首相は記者会見で、消費税率8%引き上げを決断したことに、「最後の最後まで悩んだ。熟慮した結論だ」と述べた。決断の理由として各種の経済指標が改善したことを挙げ、デフレ脱却や財政再建、成長を底上げする経済政策に同時に取り組む意欲を強調した。 また、「社会保障を安定させ、厳しい財政を再建するため、財源確保は待ったなしだ」と述べ、「経済再生への自信を取り戻す。国の信認を維持し、社会保障制度を次世代にしっかりと引き渡す。これらを同時に進めるのが私の内閣に与えられた責任だ」と述べた。 増税分で得られた税収の使途では、「社会保障に全額使う」と明言。法人税の実効税率引き下
安倍晋三首相が26日、東京・九段北の靖国神社に参拝した。消費増税や特定秘密保護法、沖縄の普天間問題などの諸課題にめどがつき、「参拝ショック」が出にくい時期を選んだとみられるが、A級戦犯合祀(ごうし)への批判などから中国や韓国は反発し、米国も「失望している」との声明を出した。自らの「信条」を優先したことで政権の変質を印象づけ、今後、政権を支えてきた「日米同盟重視」や「経済最優先」の路線が揺らぎかねない。「恒久平和への誓い」と題した首相談話もこれまでの言動との食い違いがうかがえる内容だ。 「自分の決断として参拝します」。26日午前、公明党の山口那津男代表のもとに安倍晋三首相から電話があった。山口氏が「賛同できない」と反対したが、首相は「賛同いただけないとは思います」とにべもなかった。自民党の石破茂幹事長にさえ当日通告。党幹部は「もう誰も止められなくなっている」とぼやいた。 「寝耳に水」だったの
昨日、シアターキノで、映画『ハンナ・アーレント』の試写を見た。 深く考えさせらえる秀作である。 この映画は、彼女の『イェルサレムのアイヒマン』をめぐる葛藤を描いている。 今年の講義や最近出した教科書でも、アイヒマン問題は結構力を入れて話したので、余計感銘を受けた。 そして、最近『東洋経済』に書いた時評でも、この問題に言及している。 ちなみに、きのう一緒に試写を見た吉田徹氏によれば、鈴木寛さんが熟議に最もなじもうとしない困った人間類型として、「アイヒマン的中間管理職」という言葉を使っているそう。東洋経済の読者にはどれくらい伝わったのだろうか。10月31日記 10月15日からようやく臨時国会が始まる。福島第一原発をめぐる様々な難問の処理、消費税率引き上げに伴う社会保障と経済対策、TPPをめぐる対応など、政策面では日本の命運を左右する重要課題が山積している。野党の奮起で議論を深めてほしいというの
やまざき・はじめ/1958年、北海道生まれ。東京大学経済学部卒業。現在、楽天証券経済研究所客員研究員。株式会社マイベンチマーク代表取締役。東京大学を卒業後、三菱商事に入社。野村投信、住友生命、住友信託、メリルリンチ証券、パリバ証券、山一証券、明治生命、UFJ総研など、計12回の転職を経験。コンサルタントとして資産運用分野を専門に手掛けるほか、経済解説や資産運用を中心に、メディア出演、執筆、講演会、各種委員会委員等を務めた。2024年1月1日、永眠。 山崎元のマルチスコープ 旬のニュースをマクロからミクロまで、マルチな視点で山崎元氏が解説。経済・金融は言うに及ばず、世相・社会問題・事件まで、話題のネタを取り上げます。 バックナンバー一覧 中間評価を考える 「アベノミクス」の初速とその後 民主党政権から、安倍晋三氏率いる自民党が政権を奪取することが見え始めたあたりが、いわゆる「アベノミクス」の
安倍は増税勢力に負けたんであって、安倍が積極的に消費増税に持ち込んだわけではない。3党合意、経団連、マスコミ、有識者がこぞって増税派だったわけだから RT @honnenogod: ボンボン安倍を支持していたリフレ派、一言どうぞ。
Paul Krugman, “Japan: Don’t Ruin A Good Thing”, September 19, 2013. 日本:いいところを邪魔すんな by ポール・クルーグマン Paresh/The Khaleej Times – Dubai, UAE/CartoonArts International/The New York Times Syndicate ここまでのところ、アベノミクスはホントにホントうまくいってる。「日本銀行は変わったんだ」、「宴もたけなわのところで酒瓶を片付けてしまうようなマネはしない」、「持続的なプラスのインフレ率を目標にする」とシグナルを送り、また、債務は高水準ではあるものの、なんらかの財政刺激をまもなく行うというシグナルも送ることによって、日本の当局者たちは、短期の経済実績で刮目すべき転回を成し遂げた。 でも、この短期の成功は、自己破滅的なお
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