試合前のプレスルーム。日本のメディア関係者は、備え付けのモニターの映像に気が気でない。16時15分からアルライアン・スタジアムで行われている、ヨルダン対サウジアラビア。何と、格下と思われていたヨルダンが前半42分に先制点を挙げ、そのままタイムアップを迎えようとしていたのである。初戦でシリアに1−2で敗れ、急きょ監督を代えて背水の陣で臨んだ、中東の雄サウジ。ここでもし敗れれば、グループリーグ敗退が決まる。いや、事はサウジだけの問題ではない。この時点で勝ち点1の日本も、この後のシリア戦でさらなる重圧がのしかかることになる。 やがて試合は90分を超え、アディショナルタイムは5分と表示された。ここはヨルダンの終了間際での「勝負弱さ」に期待したいところ(初戦でヨルダンは、土壇場で日本に同点に追いつかれている)。当然ながらサウジも必死の猛攻を見せる。しかしヨルダンは、守備の要であるハテムをけがで欠き