今月25日、東京地裁でまたひとつ、「引き出し屋」をめぐる訴訟の判決が出る。 いわゆる引き出し屋とは、家族からの依頼を受けて、特定のターゲットとなる人物を、部屋から意に反して連れ出し、施設や病院に移送して生活や活動を強いる民間の自立支援業者や社会復帰支援業者を指す。暴力的な手法を伴うこともあり、ここ数年、「意に反して連れ出された」「身分証や携帯電話を奪われ自由のない生活を強いられた」「契約した内容と支援内容が違った」などとして、被害者や実態を知った家族が施設側を提訴する例が相次いでいる。 ■無職というだけで拉致・監禁・強制入院の被害にあった男性 関東南部在住の30代男性は2018年5月3日、自室に突然入ってきた男たちに強制的に施設に連行された。連行先の施設で監禁されたのち、都内の精神科病院に医療保護入院させられた。退院時に再び強制的に施設に入所させられた後、しばらくして脱走した。 男性が連行