あるお金持ちが、 最上級の高級車、ロールスロイスで砂漠を横断するという, ダカール・ラリーばりの、 冒険旅行を楽しんでいた。 さすがに、過酷な旅がこたえたのか 自慢の車は、砂漠の真ん中で故障してしまい、 全く動かなくなってしまう。 意気揚々、無謀な冒険旅行に挑んだ彼も、 溜まらず,いざというときに備えて車内に積んであった無線機を使い, しぶしぶ業者に救援を仰いだ。 すると、やがて水平線のかなたから, 物々しい輸送飛行機が現れて、 彼に陽光に眩く光り輝く新品のロールスロイスのを届け、 速やかに故障した車を積み込むと瞬く間に引き上げていったのだ。 あっけにとられながらも対応の早さに感心した彼は, そのまま過酷な旅を続け、無事に砂漠を横断することができた。 さて、旅から帰って来たそのお金持ちだが、 不思議なことに彼のもとにはいつまでたっても、 その業者からの連絡や請求書がいっさい来ない。 新車を