恋愛、結婚をする能力に長けている男(すなわち「モテる」男)とは、高収入で社会的評価を得ていて、それゆえに女性に対して自信があるなど、「男らしさ」というジェンダー(性)規範を具現化できている男性だ。 これに対して、不本意ながら低賃金の非正規職に就いているなどで恋愛・結婚に自信が持てず、「男らしさ」を実現できていないのがモテない男性である。 深刻なのは、「男らしさ」規範を実現できていない男性たちが、現実から目を背け、モテないことを認めようとしない点にある。「男はモテなければならない」という「男らしさ」の固定観念に、いまだ囚われているがゆえに、モテないことは、「男としての敗北」を意味するからだ。 ※本稿は、奥田祥子『男が心配』(PHP新書)の一部を再編集したものです。 どこで彼は道を間違えたのか? 結婚「できない」のではなく、結婚「しない」のであって、それは決して「モテないからじゃない」。そう、