抗がん剤を打ちながら風俗勤め 那覇の繁華街からタクシーに乗っている。メーターの加算は東京より、ゆっくりだ。那覇市外にある琉球大出身のソープ嬢・新垣玲奈さん(仮名)の実家に向かう。 沖縄は郊外に突入しても、市街地は続き、人や生活の匂いが途絶えることはない。県道から細道にはいってグーグルマップで住所をたどり、矢印の箇所に古い鉄筋つくりの一軒家があった。 LINEすると、マスク姿に帽子をかぶり、長袖のシャツで腕まで覆う新垣さんが現れた。前回の取材から3年4カ月が経っている。 3年前に取材したときはキャバクラからメンズエステ、ソープランドと業態を落としながら精神疾患に苦しんでいた。原因はすべて恋人による暴力。精神疾患の調子で出勤を調整しながらソープランドで働いた。大腸がんになったことで働けなくなった。 現在、32歳。新垣さんは顔の半分の顔色は悪く、老け、疲れ切っていた。華やかな雰囲気は失われていた