広島市の松井一実市長(58)は2日、広島原爆忌(6日)の平和記念式典で読み上げる「平和宣言」の骨子を発表した。 東日本大震災を受け、被爆地として立ち上がった経験から復興のメッセージを送るほか、福島第一原子力発電所の事故を踏まえ、国に早急なエネルギー政策の見直しを訴える。平和宣言にエネルギー政策を盛り込むのは初めて。さらに、今回は被爆者から体験談を公募し、核兵器廃絶の思いを盛り込む。 体験談は、国内外の73人から応募があり、原爆投下によって日常が理不尽に途絶えた悲惨さを伝える奈良市の男性(79)と、被爆して重傷を負って逃げる途中、泣き叫ぶ子どもを助けられなかった広島市内の女性(82)の2人の体験を引用。やさしい言葉で表現するよう配慮し、原爆投下日時を盛り込むなど、若い世代への継承を重視した。 東日本大震災と福島第一原発事故については、犠牲者の冥福を祈るとともに被災地復興を願う。政府に対して、