野中広務元官房長官と鳩山由紀夫元首相の姿が、ぴたりと重なってみえる。尖閣諸島(沖縄県石垣市)を「侵略しに来ている」(外務省幹部)中国へと、のこのこ出かけ、相手の意向に沿った発言をするところなど、そっくりである。 「自民も民主もOB議員によるOB(コース外にそれた打球)には本当に困りもの。OB杭(くい)の向こう側には、巧妙な外交的落とし穴が隠されているのだ」 民主党の長島昭久氏は4日、自身のツイッターにこう書き込んだ。尖閣諸島をめぐり「領有権問題棚上げの日中合意があった」と発言した野中氏と、「日中間の係争地」と述べた鳩山氏を指すのは明らかである。 論点はそれぞれ違うが、ともに日本政府の公式見解を否定し、自ら進んで中国のわなに飛び込んだ形だ。 思えば鳩山氏は今年1月、南京大虐殺記念館を訪ねて改めて謝罪した。これも平成10年5月、自民党幹部(幹事長代理)として初めて公式に同館を訪問した野中氏と軌