食品医薬品安全庁(食薬庁)は食品安全の最後の砦だ。国内外の食品・薬品関連情報を集めて分析し、混乱が生じないよう整理する。こうした役割を果たすために、保健福祉部本部体制だった組織が大幅に拡大され、1998年に独立した。 その食薬庁が混乱の震源地となった。今回の“ベンゾピレンラーメン”波紋でだ。食薬庁は25日、問題のかつお節を使用した4社の9種類のラーメン製品を回収することにし、29日には2社の5種類に減らした。流通期限を確認せず、一部の製品の期限が過ぎていたことが明らかになったのだ。 こうした混乱の中心にはイ・ヒソン食薬庁長(59)がいる。混乱の始まりは今年6月だ。食薬庁危害事犯中央調査団が匿名の情報提供を受けて捜査に入り、ベンゾピレンが超過検出された原料をスープに使用したことを確認した。調査団は捜査の結果をイ庁長に報告した。 農心などの会社の製品をどうするかは眼中にもなかった。現行の規定に