現役時代,多くの手続きは会社がやってくれた。書類の提出を少々遅れても,催促してくれて,待ってくれて,親切にアドバイスもしてくれた。定年後にはもう,そんなサポートはない。何事も自分で調べ,判断し,手続きをしなければならない。面倒ではあっても,これからの人生を豊かに過ごすための土台として,必要不可欠なことなのである。 諸手続きには,退職後何日以内という規定がある。これに遅れると,受け付けてもらえないという厳しい現実も。定年日を境に,事前に準備すること,定年後早めに手続きすべきことをリストアップして,スケジュール表や手帳に書き込んでおこう。それぞれに必要な書類,手続きや申請の場所・電話番号なども確認しておきたい。 では,何から始めたらいいのか。58歳になると,否応なしに定年を思い知らされる通知が届くことになっている。それは,「年金加入記録のお知らせ」。年金加入者が58歳を迎えると,その2カ月後く