慢性外傷性脳症(まんせいがいしょうせいのうしょう、chronic traumatic encephalopathy; CTE)とは、頭部への衝撃から生じる脳震盪などの脳への反復する傷害が原因となり、脳変性による認知症に似た症状を持つ進行性の脳症をきたす神経変性疾患[1]。最初にボクサーで見出されたことから俗にパンチドランカー(和製英語)と呼ばれており、他にもパンチドランク症候群(punch-drunk syndrome)、拳闘家痴呆(dementia pugilistica; DP)、慢性ボクサー脳症、外傷性ボクサー脳症、慢性ボクシング外傷性脳損傷、ボクサー認知症[2]。などの別称がある。しかしこの疾患は、アメリカンフットボール、アイスホッケー、サッカー[3]、プロレスリング、野球[4]、剣道[5]などの接触の多いスポーツ(コンタクトスポーツ)の多くでみられているほか、脳震盪を繰り返した兵