「本物のクモ糸を模倣するフェーズから移行した」――。人工クモ糸の開発で有名なベンチャー企業Spiber(スパイバー)が、最近はクモ糸を前面に押し出さなくなった。2019年6月に開催した、スポーツアパレルのゴールドウインとの共同記者会見では、Tシャツ用に開発した繊維を「ブリュード・プロテイン(Brewed Protein、微生物で作るタンパク質)」と名付けて呼んだ。 会見では、タンパク質繊維「ブリュード・プロテイン」を利用したTシャツ「プラネタリー・エクイリブリアム ティー」を250着の限定で発売することが発表された。 Tシャツは、綿とタンパク質繊維で作られており、その重量比は綿が82.5%で、タンパク質が17.5%。この比率は、地球上の植物と、微生物・動物の重量比と同じだという。「生態系バランスをベースに動物資源に頼らないという意図を込めた数値(%)」(Spiberとゴールドウイン)として