中能登で87年 興奮し持ち帰った 一九八七年に中能登町(旧鹿西町)の杉谷チャノバタケ遺跡で、弥生時代中期の竪穴住居跡からチマキ状炭化米の塊(かたまり)が発見された。加工・調理されたものでは最古級で「日本最古のおにぎり」出土と話題になった。同町は、まちおこしとして毎月十八日の米食の日と鹿西の「ろく」を合わせた六月十八日を「おにぎりの日」と制定。記念日にちなみ、第一発見者で県金沢城調査研究所副所長の栃木英道(てるみち)さん(64)に当時の話を聞いた。 (大野沙羅) 急斜面を上った先にある杉谷チャノバタケ遺跡は現在、草木で緑に覆われている。一九八五〜八九年に県水道用水供給事業に伴い周辺の計四遺跡の発掘調査があり、県立埋蔵文化財センター職員だった栃木さんも現場を監督する担当者として現地入りした。 発見したのは八七年十一月二十日。寒かったが雨は降っていなかった。建物の壁際を掘っていると移植ゴテに土の