文章語と口語(話し言葉)の違いですね。だから「何やかんや」というのは、文章語で使うとしたら、小説などの会話部分に使うぐらいでしょう。 ところで、文章語の方も、本来は「なにやかにや」です。つまり「あれこれ」という意味。 この「なにやかにや」の二つの「に」が音便(おんびん)(発音しやすくするために発音の一部を変えること)で、「ん」となり、「なんやかんや」となりました。これが現在口語として使われ、文章語の方は、「なにやかにや」ではまだるっこいので、「なにやかや」となりました。 「なに」が「なん」になるのはほかにもあります。「なにすんねん」→「なんすんねん」、「なにかゆうたか」→「なんかゆうたか」など。 「かに」の例は啄木の歌にあります。「かにかくに渋民村は恋しかり……」