宗教法人高野山真言宗や金剛峯寺の 資金運用で、含み損を合わせて21億円の損失が発生していることが分か った。投資した仕組み債がリーマンショックによる株安や円高で値下が りし、アベノミクスによる市況回復を経てもその影響が残っている。 高野山や金剛峯寺(和歌山県)を含む関連5法人の運用を調査した 外部委員会の23日付報告書によると、3月末で57億9000万円の運用残が あり、15億3000万円の含み損が発生している。これとは別に日経リンク 債、豪ドルパワーデュアル債や南アフリカランド債の償還・売却などで 5億7000万円の損失がすでに確定している。 有利な利回りを求めた運用は2002年夏から野村証券の豪ドルMMF 購入で始まった。複数の証券会社を用い、外貨建て債は通貨や償還時期 を分散させた。報告書では、リーマンショックも予見不可能だったとし て「法人や運用担当の責任を問うことは適切でない」と