年越しエントリーを書く前に、タクシー問題について頭の整理を終えておきたい。僕の基本的な認識としては、タクシー乗務員の待遇改善を目的とした需給調節は筋が通らないが、最低賃金など基本的な労働者としての権利、安全確保のために必要な労働環境を確保するための規制は必要と考える。 規制緩和が必ずしも需要増に結びついていない背景として、新規参入や増車が自由化された割に、料金やサービスの多様化が進まなかったことがあり、その背景に旧態依然とした大手事業者、業界文化にどっぷり浸かってからでないと独立できない参入規制がある。 共有地の悲劇は市場が機能しない理由の一つではあるが、料金規制の更なる緩和や業界慣行の見直しによって市場競争を通じた需要喚起策を講ずることも考えられる。安易な需給調節に走ることは、タクシーが構造不況業種として成長の機会を投げ出すことにならないか。 GPSなど乗務員の経験を補う技術が増えており