悪意あるメールを起点に感染を広げるマルウェア「Emotet」や、企業の機密情報を人質に金銭を要求するランサムウェアといったサイバー攻撃への注意喚起や被害報告が連日のように報道されている。 もちろん過去にも、サイバー攻撃の被害が急増してセキュリティベンダーや行政機関が警戒や対策を呼び掛けた時期はあった。しかし、これまでは「このマルウェアが流行っているから要注意です」と声掛けしても、「自社は大丈夫」と思っていた人も多い。ところが現在はサイバー攻撃の被害が具体化し、現実的な危機として受け止められつつある。 こうした状況で企業の危機意識が高まっていると指摘するのは、ソフトバンクのセキュリティエバンジェリストである澤入俊和氏だ。「大手製造業がランサムウェアに感染して工場の操業が停止する、取引先企業がEmotetに感染したなど脅威を身近に感じるケースが増えています。サイバー攻撃に遭ったらどのような実害