「ITアーキテクト」という仕事の存在感が増している。要件と制約の全体を理解してシステムの構造をデザインし、最適な技術・製品を組み合わせる--。このようなITアーキテクトの職能が、複雑化する一方の情報システムをコントロールするのに必須のものとなりつつあるからだ。しかし、ITアーキテクトの仕事がどんなものかは理解しづらい点があるのも事実である。なぜITアーキテクトという人材が必要なのか。ITアーキテクトに必要なスキルは。一般のITエンジニアがITアーキテクトにならってスキルを高めるにはどうすればよいのか。以下では3回にわたってこれらの疑問に答えていく。 最近では,日本でも「アーキテクト」という肩書きを持ったITエンジニアに出会う機会が徐々に増えてきた。IT業界で最も有名なアーキテクトは,米マイクロソフトのビル・ゲイツ氏だろう。CEO(最高経営責任者)を辞めて,会長兼チーフ・ソフトウエア・アーキ