輸入当初のカレー、材料に「アカガエル」も 材料はアカガエルやネギ、ショウガ……。 1872(明治5)年に横浜で発行された料理本「西洋料理指南」で紹介されたカレーの材料の一部。小麦粉でとろみをつけるなど現在の手順と大きく変わらないものの、材料の「アカガエル」が目を引く。 日本のカレーは横浜開港後に、英国製のカレー粉が輸入されたことで始まったという説が有力だ。だが当時は、高級官僚などごく一部の人が口にする珍しい料理だった。 「本格的なカレー文化を日本でも」 カレー総合研究所の井上岳久さん(49)によると、庶民がその存在を知り始めたのは、旧陸海軍の食事に採用されてから。鍋ひとつで大量に作ることができ、栄養バランスがいいカレーは軍隊で重宝された。「退役した人々が故郷に帰り、食卓で作ったことで全国的な広がりを見せた」と井上さん。戦後は学校給食のメニューになり、幅広い層に親しまれる味に成長した。 東京