→紀伊國屋書店で購入 「「せつなさ」の溢れるエッセイ」 本に関してはどうも時々天の邪鬼な癖が出る。人が良いといったのに、なかなか手に取ることができない。そして、後でとうとう読み始めた時に後悔する。何故もっと早く読まなかったのだろう、と。須賀敦子は私にとってそんな作家の一人だ。イタリア文学に詳しい友人から以前勧められたことがあるのだが、何となく出会いがなかった。須賀敦子には熱心なフアンがいると聞いたのも、一因となっている。誰かが夢中になっていると、そこに入っていけないのだ。 『コルシア書店の仲間たち』を始めて書店で見たとき、何故か「コルシカ」書店と勘違いしてしまった。フランス人が「美ヶ島」(île de beauté)と呼ぶあのコルシカ島を舞台としたものかと思ってしまった。酷い話だ。『コルシア書店の仲間たち』は全く違う話である。戦後カトリック左派の拠点として存在した、コルシア・デイ・セルヴィ
