専門家を無視する人々 コロナ禍のなかで見聞きした最も奇妙な現象の1つに、素人が専門家の意見を無視したり、果ては「にわか専門家」になって、滔々と意見を披歴するという現象があります。 たとえば、感染症の専門家はもう1年以上も「空間除菌には効果はない。むしろ有害である」ということを説き続けています。また、空間除菌をうたった商品のなかには、消費者庁などから措置命令などが出されたものもあります。 いわば空間除菌は「ニセ科学」の代表のようなものです。にもかかわらず、つい先日もAKB48のコンサート会場に、大規模な空間除菌装置が設置されただけでなく、主催者は感染予防対策として大々的にアピールしていました。彼らは、この1年の間に一体何を学んだのでしょうか。あるいは学んでいないのでしょうか。 こうした態度が極端になると、ニセ科学を通り越して「コロナは風邪」「ワクチンは毒」などといった反科学にまで行きつきます