夢想知識小説としての『クォンタム・ファミリーズ』: 読書体験のウェブ的転倒とそのエミュレーション December 24, 2009 op-ed / commentary authorjunichi ikeda share tweet この休みに、『クォンタム・ファミリーズ(QF)』を読んだ。 QFは、東浩紀の、単著としては初の小説。 不思議な本だ。 全編が「亡霊効果」で溢れている。 東が、覆面作家である舞城王太郎の、いわば対極にある存在だからか。 ウェブの中では東に関わる語りや言説は溢れているし、東自身、今までウェブに限らず多くのテキストを、発言や執筆によって残してきている。 その全てが、QFの文面のそこかしこで、亡霊のように浮上する。 これは、不思議な読書体験だ。 リニアな読みを前提にした、紙を前にした読書体験ではない。 あえていえば、ウェブを前にした、ブラウザを前にしたテキスト読解体
