公設市場の中にはもちろん肉屋もあった。店頭には大きな豚の頭が陳列してある。チラガーだ。サングラスをかけていたチラガーは、なんだかご機嫌のように見えてしまう。心なしか豚は笑っているようだ。頭だけになってもまだ人生(豚生?)を謳歌しているのかもしれない。 沖縄の文化は日本本土とはちょっと違う。肉食が一般的ではなかった江戸時代から、沖縄の人たちは豚肉を食す習慣があったのだ。食べる個所も本土よりもずっと多い。耳はミミガーとして食べるし、顔の部分はチラガーとして食べる。写真の頭は飾りではなく、売り物なのだった。