土間仏堂は、床が土間のもので、飛鳥時代、奈良時代から見られますが、 鎌倉時代には宋様式の導入により禅宗様として主流となりました。 建長寺の造営が本格的な建築の始まりであり、その後次々と 大寺院が建設され、多くは土間の床のものだということです。 鎌倉に現存する土間仏堂は、二重仏堂と一重仏堂に分けられ、 一重仏堂は、さらに五間堂と三間堂に分けられます。 今回取り上げた二重仏堂とは、実際には一階建てですが裳階(もこし)が両脇に つくことで、あたかも重層のようにみえるものです。 円覚寺の舎利殿(室町前期のもので、同後期に移築されたもの)、 江戸時代初期の英勝寺仏殿と建長寺仏殿、幕末の建長寺法堂(はっとう)の 四棟があります。 円覚寺の舎利殿は、当初のものは弘安八年 (1285) の頃 または 延慶二年 (1309) に建立されたと言われています。 再三火災がありましたが、なかでも永禄六年 (156