「トランプトレード」を巡る歓喜や人工知能(AI)に対する熱狂にもかかわらず、2024年はさまざまな市場で利益を上げるのが難しい年だった。米株式相場を押し上げてきたトレードでさえも、ほころびの兆しが見え始めている。 米金融当局の煮え切らない態度とインフレの根強さは、資産全体にわたる停滞の要因となっている。米長期国債の動きに連動する上場投資信託(ETF)で最大規模の「iシェアーズ米国債20年超ETF」は今年、マイナス圏に大きく沈むまで激しい値動きを見せた。中国政府の景気刺激策が追い風になると期待された商品相場も上下に振り回された。 最も安全なクレジット商品も利益を圧迫された。ドル建て投資適格社債で構成される指数に連動する300億ドル(約4兆7400億円)規模の「iシェアーズiBoxx米ドル建て投資適格社債ETF」は、利回り上昇が響き、10-12月(第4四半期)のパフォーマンスとしては過去8年間