あの大震災と原発事故から3年半。福島県知事選も終わり、浜通りは4度目の冬を迎えます。通い続ける取材班が見て聞いた、「3年半」の現実をお伝えします。 「賠償御殿」─。そんな言葉をよく耳にした。人口30万人の福島県いわき市には、双葉郡から2.4万人の避難者がやってきた。道路も病院も混雑し、アパートを借りるのもままならない。高まるストレスは、否応なしに賠償金の存在に意識を向けさせる。 「仕事がある自分は仮設住宅。妻と子どもは避難先。事故前に同居していた両親は別の借り上げ住宅。バラバラを解消したいと、いわき市に家を建てたら、隣の老人にこう言われた。お金をいっぱいもらってるんだろって。悔しくて悔しくて」(30代のある男性) 事故から3年半。今回の取材で最も話題に上ったのが賠償金を巡る軋轢である。昨年まではそれよりも除染の進捗や低線量被ばくだった印象が強い。「金の話はしたくない。そういう人も、最後はや
