広大な“海抜ゼロメートル地帯”を抱える東京 東京の下町・江東区の一角に忘れられた一本のポールがある。このポールの存在は私が2012(平成24)年2月に出した『地名に隠された「東京津波」』(講談社+α新書)を執筆中に発見したもので、同書で紹介するまでは一部の関係者を除けば誰も知らない隠れた存在だった。 この本は、その前年の東日本大震災の被害を目の当たりにして「東京は大丈夫か!?」という問題意識で書いたものだが、その過程でこのポールの存在を知った。結論的に言えば東京は水害や津波に極めて弱いということになるのだが、その危険性に警鐘を発してきたのがこのポールだった。 東京が危険だという最大の理由は、人口が密集した広大な海抜ゼロメートル地帯を抱えていることである。全国の主な海抜ゼロメートル地帯には次のようなものがある。