コントローラを手に持つことなくゲームを操作できる,Microsoft社の「Kinect」。Kinectが示したジェスチャー入力の可能性を追求する連載の第3回は,距離画像センサによるジェスチャー入力の制約を補う、様々なソフトウエア上の工夫を探る。 高性能な距離画像センサを利用しても,やはりコントローラを使うジェスチャー入力技術に比べれば,検出の際にさまざまな制約が生じる。この制約をユーザーに感じさせないソフトウエアの工夫も,Kinectの重要なポイントである。それらを見ていこう(表2)。 検出性能の制約とは,主に①検出範囲が限られる,②遅延がある,③検出しにくい動きがある,といったものである。 ①の検出範囲は,一般にコントローラを利用する場合に比べて狭い。Kinectでは,近赤外カメラ内にユーザーの全身が映らないとゲームを操作できない。カメラから近すぎても遠すぎてもいけない。 Kinectの