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『萌の朱雀』(映画メモ)

『萌の朱雀』(1997年、河瀬直美監督)

『あん』『光』が良かったので、河瀬監督の初期作品を観た。

感動的な展開があるわけではないのに、観終わった後の「余韻」が大きかったのが不思議である。

過疎の村で暮らす、祖母幸子(和泉幸子)、父(國村隼)、母(神村泰代)、娘のみちる(尾野真千子)、甥っ子の栄介(柴田浩太郎)。失業した父が自殺してしまった後、高校生のみちるが、栄介に恋心を抱きつつも、母親の郷里に戻るというストーリー。

全編を通して、何が起こったのかがはっきりとせず、推測させる映像が、どこか日本的である。

「論理」ではなく「情緒」に訴える映像が心に響く。

地味に、祖母役の和泉幸子さんが上手いと思った。

ちなみに、あとでWikipediaを見たら、現地の中学生だった尾野真千子を河瀬監督がスカウトしたことがわかり、驚いた。河瀬さんには、人の才能を見抜く力もあるらしい。



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