「写真集発行で退学は不当」女性アイドルが高校を提訴(読売新聞)
写真集を出したことを理由とした退学処分は無効だとして、女性タレント(18)が桐朋女子高校(東京都調布市)を運営する桐朋学園を相手取り、退学処分の無効確認を求めて起こした訴訟の第一回口頭弁論が14日、東京地裁八王子支部(桐ヶ谷敬三裁判長)で開かれた。
同学園側は「芸能活動の禁止は、毎年入学時に生徒、保護者に周知させてきた」などとする答弁書を提出、全面的に争う姿勢を示した。
訴状によると、タレントは2004年、同高校普通科に入学。しかし、写真集が昨年7月に発売されたことを理由に同9月に学校から謹慎を命じられ、同10月18日付で退学処分となった。タレントは現在、グラビアアイドルとして活動している。
えー、少し迷いましたが、売れてなんぼの芸能活動の人なので芸名は公表しておきます。原告は小泉麻耶さん、「現役女子高生」というあざといタイトルの写真集でデビューしました。かのインリン様と同じ「オブジョイトイ」のメンバーでもあるとか。とりあえず非国民通信社ではおっぱいの大きい人を応援しています。ちなみに当社の一番人気は把瑠都です。
さて、どうやら桐朋女子高校には芸能活動を禁じる旨の校則があり、それによって退学処分となったとか。個人的経験から、桐朋を含む進学校には校則なんてあってないようなものだと思っていましたが、退学とはまた厳しい処分、いったい何がまずかったのでしょうか? やっぱり、おっぱいが大きかったから? NHKのDJ OZMA問題でもわかるように、どうやらおっぱいを激しく憎悪し、公の場から遠ざけたいと願っている人も少なくないようなので・・・
おっぱい( ゜∀゜)o彡゜おっぱい( ゜∀゜)o彡゜なんて言ってれば不真面目にも聞こえるかもしれませんが、これはこれで世相を反映しているのではないでしょうか。昨今では過激な性教育がどうの、若者の性の乱れがどうのと、性的なものが表に出てくることへの強い忌避感があるわけでして、生命活動の一部である性の営みを恥じるべきものとして後宮の奥に閉じこめておこうとする欲望を持った人たちが幅を利かせているわけでもあります。そして今回の小泉麻耶さんの件、彼女の芸能活動もセクシーなグラビア中心だったことが保守的な性道徳の持ち主の怒りを買ったわけであり、もし彼女の芸能活動が伝統芸能のたぐいであれば退学はなかったどころか表彰されていたのではないかとすら思われるわけです。桐朋女子高校のお偉いさんから見ればおっぱいが大きかったりセクシーなのは恥ずべきこと、よからぬことだったのでしょう。
それでまあ今回のニュースで良くも悪くも名前が売れたのか、彼女のブログにも例によってコメントスクラムが殺到、大半が彼女を非難するもので、校則に逆らったのだから退学は当然、ルールを破ったのだから当たり前の処分だ云々・・・
さて非国民通信の読者の皆様であれば、この反応をどこかで見たような気がするのではないでしょうか? そうですね、国旗・国歌の強制に反対して処分された教員への非難の声と全く同じロジックが使われている訳です。職務命令に従わない教員は処分されて当然、決まり事を守らない連中は排除されるなければならない・・・
ただ、従うべきルールもあれば従うべきでないルールもあります。それが職務命令であろうと、その命令が憲法違反であればその命令には従う必要はありませんし、従うべきではありません。もちろん法に触れる取り決めだってそうです、ヤミ金融との間で交わされた違法な金利に関しては、事前の説明と同意があろうとも払う必要はありませんし、払うべきでもありません。個々の間で結ばれたルールであっても、それに優先される法律があり、憲法があるわけでして、上がルールを定めたからと言って無条件に従わねばならないとするのは権利の放棄と独裁制への帰依に他なりません。
あるいは玉川大学による朝鮮学校卒業生の受験拒否の件、この差別措置に関しては「受験の可否を決めるのは大学の自由だ」という主張も散見されました。確かに、学校側にも選択の自由はあるわけですが、このような主張をする人はカレー屋の「水を飲む人お断り」と、銭湯の「外国人お断り」の違いがわからない、どちらも店主の選択の自由の範囲に見えるのでしょうね。もちろん道徳面から禁止されてしかるべきなのですが、そうでなくとも日本は人種差別撤廃条約を批准している訳で(批准したのはつい10年ほど前でしかないのですが)、人種差別にあたる勝手なルールを作っても通用しません。
さて桐朋女子高校に戻りますと、芸能活動を禁じる校則、これにどこまで従わねばならないものでしょうか? この場合に優先されるべきは桐朋女子高校独自のローカルルールに過ぎない校則よりも生徒個人の自由の権利の方であるようにも思われるのですがどうでしょうか? 果たして学校に学外での自由な活動、合法的な活動を制約し、処罰する権利があるのか、その辺を私は疑問に感じます。
桐朋女子高校 学校案内 沿革と教育目標
2.生徒の「個性を伸ばす」ことを大切に
一人ひとりの持ち味を損ねることのないように配慮して生徒に接するように心掛けています。また、生徒には、自分や仲間と違う考え方を持っているといって他人を差別するのではなく、自分と他人は違うことが前提で、むしろそこにこそ人の存在する価値を見いだすようにしなければいけないと指導しています。「人間教育」とか「豊かな人間性の育成」というような教育理念を掲げることは、そういう考え方に根ざした教育をどう実践しているかだと考えます。そのために、教科指導や学年指導のプログラムにいろいろ工夫されたメニューを用意しています。
とりあえずGカップのおっぱいや外見上の魅力は伸ばされるべき個性、損なわれるべきでない持ち味、尊重されるべき他人との違いには該当しないようです。もっと高校生らしい(と、高校側が信じている)やり方で世に出なさい、我々の規定から外れたやり方で世に出ることは認めない、そんなところでしょうか。