2022年に逝去した稲盛和夫氏が経営哲学を伝えた多くの講演が、京セラコミュニケーションシステムが運営する「稲盛デジタル図書館」に収蔵されている。その中から厳選した講演録を掲載する。(写真=菅野 勝男)
シリーズ
稲盛講演録
28回
稲盛講演録「修羅場をくぐり抜けるには“燃える闘魂”が必要である」
私は(経営の原理原則をまとめた)「経営12カ条」の7条で、経営には岩をもうがつ「強い意志」が必要だと説いています。また8条では、「燃える闘魂」が必要ですとも言っています。「強い意志」「燃える闘魂」とは、まさに、「胆識」のことです。
稲盛講演録「可能性を信じられる人だけが壁を突破できる」
我々は昨今、個々人の生き方から企業経営の舵取り、また国家政策や産業政策を考えるに当たっても、正論や正道をとることなく、利害得失や損得を念頭に物事を処理してきたように思います。困難を真正面から受け止め、正しいと信じる道を選択し、愚直に貫いていく勇気が、今こそ我々に求められています。
稲盛講演録「『フィロソフィ』に含まれる大切な四つの要素」
自らの人生や経営において、さまざまな困難に直面してまいりました。「フィロソフィ」の中には、そんな「困難に打ち勝つ」ための考え方がいくつもあります。それをご紹介することは、たいへん時宜に適ったことであろうと考えています。
稲盛講演録「アメーバ経営のリーダーは“全き人格者”でなければならない」
会社を小さい組織に区切って、独立採算で経営するアメーバ経営では、自部門の利益を少しでも多く出さなければならないというエゴがどうしても出てきます。それを解決するには、個のエゴを追求しながらも、立場の違いを超えたさらに高い次元の判断ができるようなフィロソフィが必要となるわけです。
稲盛講演録「潜在意識に染み込む強烈な『思い』が目標を現実化する」
稲盛和夫氏は経営者の先輩である松下幸之助氏から多くのことを学んだ。中でも「思い」の大切さについて強く影響を受けた。8月31日に開催予定の「稲盛和夫研究会シンポジウム」を前に、今回は「特別編」として、稲盛氏が松下氏について語った講話(抜粋)を2つ紹介する。
稲盛講演録「全員参加経営を目指したアメーバ経営、成功のカギ」
全員参加経営によって従業員の経営者意識を高めていくこと。これがアメーバ経営を行う三番目の目的です。次にそのアメーバ経営の要諦についてお話しいたします。
稲盛講演録「アメーバ経営は何を目的として生まれたのか」
アメーバ経営とは、京セラの経営理念、経営哲学を実現していくために私がつくり出した経営管理の方法です。アメーバ経営を理解する上で一番大切なアメーバ経営の目的について、その誕生の経緯とともにお話ししていきます。
稲盛講演録「真のリーダーに必要な公平無私の心」
リーダーが持つべき最も大事なものは、一言で申しますと「公平無私」ということであります。リーダーが過ちを犯すのは、自分というものを大事にすることから起こってきます。
稲盛講演録「すべてのリーダーは恥を知れ、倫理観を信念に高めよ」
「今日『21世紀の日本が取り戻すべき社会的規範』について、私の意見を述べてみたいと思います。リーダーがどういう哲学を持つべきか、つまり我々経営者自身もそうでありますが、あらゆる組織のリーダーが持つべき規範についてお話ししてみたいと思っています。」
稲盛講演録「後継社長にすべき人の5つの条件」
企業存亡に関わる後継者選定の条件をどこに置けばよいのでしょうか。このことについて、私はかつてある塾生の質問に答えて、社長にすべき人の5つの条件について述べたことがあります。
稲盛講演録「京セラで実践した幹部社員の育成と外部人材の活用」
「潜在的な能力を秘めている社内の人材に対しては、トップ自身がその部下を率いて、修羅場を経験させ、現場で厳しく指導することを通じ、非凡な人材へと育てていく。一方、外部から登用した抜きん出た才覚の持ち主に対しては、その才覚をコントロールする人間性をフィロソフィを通じて身につけさせてい…
稲盛講演録「平凡な人材を幹部社員に育てる『率先垂範』の戦法」
「優秀な人材を確保することが難しいという会社の状況においては、いわば平凡な人材を鍛えることを通じて、自分の片腕、パートナーとなるような幹部社員に育てていくことが、経営者には求められてきます。そのためには、社長が第一線で陣頭指揮を取って後ろ姿で教育することが大切であり、「我に続け」…
稲盛講演録「経営数字を読み解き、 危機の芽を未然に摘み取る」
表面上は成長発展を続け、繁栄を維持しているように見えていても、その陰に衰退の原因が隠れている場合が少なくありません。将来の危機の芽を数字の中から事前に察知し、未然に摘み取るようにすることも、経営リーダーの重要な役割です。
稲盛講演録「目標を達成する方法を示し、部下に自信を持たせる」
リーダーは集団の心を捉えることができなければなりません。自分が設定した目標を、集団の全員が「何としても達成しよう」と思わせることができなくてはなりません。集団に生命を吹き込み、全員のベクトルを合わせ、目標に邁進(まいしん)させることができなくてはならないのです。
稲盛講演録「目標達成のために求められる5つの役割」
「第1に、リーダーは明確な経営目標をつくると同時に、目標を達成できると自ら信じていなければなりません。自分自身が信じていないような経営目標を、いくら部下に話しても効果はなく、まずは自分が目標達成を心から信じなければならないのです。」
稲盛講演録「利己的な欲望は必ず没落を招く」
会社を興し、苦労を重ね、せっかく素晴らしい企業を築き上げた経営者が、やがて自身の利己的な心によって企業を衰退させ、晩節を汚すという例は、世界中で枚挙にいとまがありません。
稲盛講演録 日本航空の再建は「世のため人のために」臨んだ
誰もが二次破綻を予想した日本航空が、なぜ短期間に高収益企業に生まれ変わり、再上場することができたのでしょうか。私は、日本航空の社員の意識が大きく変わり、「利他の心」に基づいて、それぞれの持ち場立場で、会社を良くしようと懸命に努力を重ねるようになったことが最大の要因だと考えておりま…
稲盛講演録 第二電電を成長に導いた「利他の心」に基づく大義
なぜ、最も不利であった第二電電が、最も成功を収めたのか。それは「国民のために何としても通信料金を安くしなければならない」という「利他の思い」にもとづく大義が根底にあり、社員と共有され、お客さまや代理店などの方々の共感を呼んだからであります。純粋な「利他の思い」には、我々の想像を超…
稲盛講演録「受験失敗、闘病、空襲…災難続きだった青少年時代」
「災難や幸運を神が与えてくれた試練として受け止め、前向きにひたすらに明るく努力を続けていく生き方をしていきたいと素直に思えるようになった。私の運命が好転するようになったのは、ここからでした。」
稲盛講演録「善きことを思い、善きことを行えば、人生は好転する」
自然というものは、我々が運命に従って人生を生きていくなかで試練というものを与えます。私のいう試練とは、あるときには降りかかってくる災難であり、またあるときには降りかかってくる幸運のことでもあります。
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