強度・剛性
強度は強さ、剛性は弾性変形に対する抵抗の度合いを表している。ほとんどの部品に必要な要件である。とくにボディシェルではもっとも重要な要件である。強度は大荷重強さ、衝突強さ、寿命、劣化強さ、信頼性などがわかる。剛性は操縦安定性、ブレーキペダルの踏み心地、縁石段差の乗り降りでのボディのガタツキ、振動、乗り心地、走行中のボディの堅牢さなどがわかる。一般的に強度が上がれば剛性も上がる傾向にある。ユーザーの要求がより静か、より少ない振動、より安心感などへ向き、その実現のためには、各部材の大型断面化や板厚アップで剛性が上がる傾向になる。その結果ボディシェルの強度は大幅に向上するが、重量はかさむ。
強度
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/01/02 00:56 UTC 版)
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材料の強度(きょうど)とは、その材料が持つ変形や破壊に対する抵抗力を指す[1][2]。
概説
古くから経験的に把握されていた材料における強度の概念について最初に定量化を試みたのはレオナルド・ダ・ヴィンチであるが、彼の個人的なノートでの記述に限られていた。一般に公開された書物としては1638年に出版されたガリレオ・ガリレイの『新科学対話』における記述が最初である。18世紀に入ると引張試験や曲げ試験など様々な強度試験の方法が確立し、ステファン・ティモシェンコの確立した材料力学の考え方とともに建築分野や機械設計分野の基礎を支えていると一般のエンジニアには思われている。しかしながら、戦場の最前線のごとく、破損した材料の屍を築く領域や、永久には持たないならその寿命を工学的に管理するなど分野においては、破壊力学(靭性)的考え方を採用することも重要で、一般の人々の感覚に還元すると強度と靭性のバランスポイントがありそこが最も強度が高いという認識になる。
強度を表す指標は様々であり、材料の変形挙動の種類によって以下のように用語を使い分ける。
- 降伏強さ
- ひずみが大きくなると、ひずみと応力との関係が比例しなくなり、応力を除去してもひずみが残る場合がある。この現象は降伏と呼ばれ、この現象が起き始める応力を降伏強さと呼ぶ。材料の種類によっては降伏現象が明確にみられないものもある。
- 引張強さ
- ひずみが大きくなると材料は破断するが、破断する前に材料に表れる最大の引張応力、あるいは材料が耐えうる最大の引張応力を引張強さと呼ぶ。引張強さの大きい材料は「高強度(high strength)」、小さい材料は「低強度(low strength)」と表現される。塑性力学で言われる変形抵抗という概念もこれと概ね一致する。
- 延性
- 材料が破断する直前における最大の変形量(ひずみ)を延性と呼び、もとの長さに対する比率として表す。延性の指標には伸びと絞りが代表的であるがその他の指標もある。
- 破壊エネルギー(靭性)
- 破壊するまでに材料に加えられる総エネルギーを破壊エネルギーと呼ぶ。破壊エネルギーの大きい材料は「靭い (ねばい;tough) 」と表現される。このエネルギー論を応力と関連付けているのが破壊力学である。
- 曲げ強度(抗折力)
- 部材の破壊は引張りより曲げモードの負荷で破損することが多いことより多用される指標。延性の低い材料系で使われ、その傾向は大まかには靭性と一致する。
- 硬度
- 傷の付きにくい材料は「硬い(hard)」と表現され、標準物質と擦り合わせた傷の有無で判定するモース硬度や、ダイヤモンド針を押し当てた傷の大きさで判定するビッカース硬さなどの指標がある。おおむね変形抵抗と一致する。
光の強度
一般に「光の強度」と呼ばれるものとして、光度と放射強度がある。どちらの意味で使われているかは、状況によって異なる。
出典
- ^ 日本機械学会 編 『機械工学辞典』(第2版)丸善、2007年、868頁。ISBN 978-4-88898-083-8。
- ^ 東郷敬一郎 『材料強度解析学―基礎から複合材料の強度解析まで』(第1版)内田老鶴圃、2004年、1頁。ISBN 4-7536-5132-0。
関連項目
外部リンク
強度
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一般的な機械設計では壊れないように十分な強度を持たせることが大事であり、ばねもそれは同様である。設計においてばねが他の機械要素と比較して特殊な点は、変形によるたわみ量を必要とする点にある。他の機械要素では強度の評価は行うが、変形量の評価までは通常は必要としない。もう一つの設計上の特徴は、前述のとおり、ばねの使用範囲が弾性変形の範囲内となるようにすることである。これは、ばね設計の「絶対条件」ともいえる。材料の弾性限度を超えるようだと、ばねとしての機能が通常は果たせなくなる。ばねの強度面で特に重要となるのが「疲労」と「へたり」である。 疲労は、物体に荷重が変動しながら繰り返し加わり続けることで、物体にき裂が発生して破壊に至る現象である。このような繰り返し荷重のことを「動的荷重」や「動荷重」と呼ぶ。振動を受け続ける車両の懸架装置用ばねなどがそのような荷重を受ける例である。疲労強度には材質、形状、荷重形式、使用温度、雰囲気などの多くの要素が影響する。ばねは繰り返し荷重を受ける形で使用されることが多いことから、設計上も疲労強度の検討が重要となる。一般的には、荷重が繰り返し加わる回数が1000万回までであれば、ばねが疲労破壊しないように設計する。ばねの用途によっては、それよりも少ない回数に耐えれればよい場合やそれ以上の回数に耐えるようにする場合がある。 へたりは、降伏応力以下しか与えない荷重でも長期間かけ続けると、徐々に材料中で塑性変形が発生して、ばねに永久たわみが発生する現象である。へたりは荷重がほぼ一定でかかり続けるような場合にも発生する。このような荷重のことを「静的荷重」や「静荷重」とも呼ぶ。へたりは材料のクリープと呼ばれる現象が主原因である。例えば、自動車の懸架装置用ばねではへたりによる車高変化が問題となる。特に高温領域ではへたりが起きやすいため、高温領域で使用されるばねは発生応力を低く抑えたり、へたりに対する耐性が高い材料を採用するなどの配慮がされる。450℃以上の高温領域におけるへたり現象については解明が進んでいるが、400℃以下の領域におけるへたり現象の発生機構については2014年現在では未だに不明確である。
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「強度」の例文・使い方・用例・文例
- 船長は船の強度について乗客を安心させた
- 強度の虫眼鏡
- それが引っ張り強度を持ちます
- 波形は金属板に強度を与える。
- 主治医は私にウォーキングのような中強度の運動を薦める。
- メンテナンスごとの強度チェックである。
- 目的の強度を達成するために
- 両面テープの接着強度を高くする。
- どのくらい紙の強度が必要ですか。
- この部品は十分な強度を持っている。
- 観測点における電界強度
- アルミ母材の引張強度以上の接合強度が測定された。
- その強度が向上する。
- 私たちはその鞄の軽さと強度にとても驚きました。
- それはどのくらいの強度がありますか?
- 彼女はガードレールの強度について、ぜひ意見交換をしたいと望んでいます。
- その板は重さに堪えるに十分な強度がある。
- この金属は強度では鉄に匹敵する。
- 標準強度を超えた[に満たない].
- 彼は強度の不眠症で悩んでいる.
強度と同じ種類の言葉
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