三上 智之(研究当時:生物科学専攻 博士課程/現在:国立科学博物館 特別研究員) 池田 貴史(研究当時:生物科学専攻 博士課程/現在:京都産業大学 研究員) 村宮 悠介(公益財団法人深田地質研究所 研究員) 平沢 達矢(地球惑星科学専攻 准教授) 岩崎 渉(生物科学専攻兼担/大学院新領域創成科学研究科 教授) 発表のポイント 近年、3億年前の謎の古生物「タリーモンスター」が脊椎動物であるという説が提唱され、脊椎動物の形態的多様性について見直しが迫られていた。 3DレーザースキャナーとX線マイクロCTにより、150点以上のタリーモンスター化石の3D形状データを得ることで、タリーモンスターの形態学的特徴の解明を進めた。 形態学的特徴を詳細に調べた結果、タリーモンスターは脊椎動物ではなく、脊椎動物以外の脊索動物か、なんらかの旧口動物であることが示唆された。 本研究に基づいて描かれたタリーモンスタ
C. M. Kosemen Artist and Researcher *** A world of dinosauroids (with Simon Roy) There are two highly-popular, vexing questions about dinosaurs: What would the world look like if these strange and majestic animals had not gone extinct? And, would they ever evolve into intelligent species comparable to humans? In 1982, palaeontologist Dale Russell, after observing "... a general trend toward larger
ディノ・ネットをもって博物館に行こう! タブレットやスマホを持って、ディノ・ネットと一緒に博物館に行ってみませんか?ご自宅や図書館などで図鑑や絵本を読む時、ディノ・ネットと一緒にいかがですか?ディノ・ネットがあれば、目の前の恐竜骨格を端末の上であらゆる方向から回転させてみたり、ズームイン、ズームアウトして大きさを変えて見ることができます。骨の名前を調べてみたり、特徴を調べてみたり、近い種類の恐竜と比較したりすることができます。博物館の恐竜や、本や図鑑の中の恐竜の見え方が変わったり、恐竜の世界が違って見えたりする瞬間を体験できるはずです。疑問がひとつ解けると、また新たな謎が生まれてくるのが人間です。ディノ・ネットで、恐竜にもっと詳しくなるだけではなく、恐竜のことをもっと知りたくなっている「自分」を発見してください。
極めて小さな恐竜の頭部がはっきりと残る9900万年前の琥珀(こはく)を発見したと、中国地質大などのチームが11日付の英科学誌ネイチャーに発表した。原始的な鳥の一種とみられ、頭部はくちばし部分を入れても長さ1センチ余り。体全体は現生する最小の鳥「マメハチドリ」と同じくらいと考えられ、これまでに見つかった恐竜の化石では最小という。 地層の中で直接化石となるのと違い、琥珀の中では皮膚や羽のような組織が良好な状態で保存されている可能性がある。チームは「古代への窓だ」として、さらに詳しく調べるという。 この記事は有料記事です。 残り415文字(全文664文字)
「本当に今、いろいろおもしろいことが分かってきていて、今年になって論文になったアメリカのノースダコタ州の化石産地なんて、僕はかかわっていないんですが、何千年どころか1時間とか45分という話なんです」 6600万年前の出来事を数時間の時間単位、分単位で追う? ちょっと想像を絶する。 「K/Pg境界のところに恐竜たちが大量死して、屍が累々としているような地層があるはずだから、それを見てみたいと思いますよね。でも、そういう地層ってこれまで全然見つからなかったんですね。たくさん死んだとしても、そこに化石になる条件が整っていなければ、化石ってできないわけですから。それがとうとう見つかったという話です」 うわーっと思う。「その瞬間」が見つかったというのは、本当に決定的だ。 「淡水魚や、場所によってはアンモナイトや部分的にはトリケラトプスなど恐竜の化石なんかも入っている地層です。隕石が衝突したユカタン半
6600万年前の白亜紀の終わりに、直径10キロ級の巨大隕石がメキシコのユカタン半島に落ちた。 その衝突で放出されたエネルギーは、TNT火薬10兆トン分だとよく表現されている。いわゆる核兵器、原子爆弾はTNT火薬数万トン、水素爆弾でも100万トンのオーダーで、文字通り桁が違う。兵器と比較してもあまりよくわからないというならば、火力発電所用の重油1兆トンを一気に燃やしたのと同じくらいとも言えるようだけど、イメージがしにくいのには変わりない。いずれにしても、ものすごいエネルギーだということには変わりない。 隕石が地表に衝突した直後の影響として大きいのは、まず、熱だ。落下を目撃できる範囲内の可燃物は、熱放射で自然発火し焼き尽くされたとされる。 その外側でも、時速1000キロを超える超音速の熱風が吹き抜け、衝突によって溶融して巻き上げられた岩屑が赤熱したまま降り注ぎ、マグニチュード10相当の巨大地震
孵化したばかりのムスサウルス・パタゴニクスは4足歩行だったが、成長するにつれて体の重心が移動し、2本足で歩行するようになった。(ILLUSTRATION BY GONZÁLE) ハイハイしていた赤ちゃんが2本の足で歩き始める。本人や親にとってはもちろん、動物の種としても、それは特別な出来事だ。成長するにつれて、同じように4足歩行から2足歩行へ移行する動物はほとんどいない。はるか昔に絶滅した恐竜以外には。 その恐竜のなかで、4足歩行から2足歩行へ移行していた証拠がまた新たに見つかった。ムスサウルス・パタゴニクス(Mussaurus patagonicus)と呼ばれる竜盤目竜脚形類の恐竜だ。論文は、5月20日付けで学術誌「Scientific Reports」に発表された。
新たに化石が発見された9000万年前のカニ、Callichimaera perplexaの復元図。史上最も奇妙なカニかもしれない。(ILLUSTRATION BY OKSANA VERNYGORA, UNIVERSITY OF ALBERTA) カニとは何か? カニをカニたらしめるものはいったい何だろうか? 奇妙なカニの化石の発見によって、その答えが簡単ではないことがはっきりした。さらに、大規模な遺伝子研究とあわせ、カニの進化にいま新たな光が当てられようとしている。 4月24日付けの学術誌「Science Advances」に、現在のコロンビアで発掘された約9000万年前の化石に関する論文が発表された。この場所で発掘された化石の保存状態は素晴らしく、1センチ以下の小さなエビが見つかるほどだ。そんなことは極めて珍しく、熱帯ではこれまでに数カ所しか見つかっていない。 この場所から、ある奇妙なカ
★6月22日更新古生物 三畳紀の爬虫類王者 ファソラスクス ★11月16日更新古生物 イラスト差し替え プロトスクス ★10月16日更新現生動物 飛べるダチョウの仲間 オオシギダチョウ ★9月26日更新古生物 イラスト差し替え、追記 メガラプトル ★9月23日更新古生物 名付けられホヤホヤ角竜 フルカトケラトプス ★9月22日更新古生物 イラスト差し替え、追記 ワイマヌ ★9月15日更新現生動物 イラスト差し替え、追記 コガタペンギン ★8月23日更新古生物 保存状態極みの恐竜 ズール ★8月5日更新古生物 史上最重量級?動物 ペルケタス ★8月3日更新古生物 イラスト差し替え ポリプチコケラス ★7月31日更新古生物 絶滅したクモガタ類 ファランギオターブス ★7月27日更新古生物 最古のパンダ クレトゾイアルクトス ★7月25日更新古生物 ほぼほぼ最古のサメ ドリオダス ★7月10日更
ドイツ、ホルツマーデンにある頁岩の採石場で出土した、1億8000万年前の魚竜ステノプテリギウス(Stenopterygius)。今回、ホルツマーデンから出土した別のステノプテリギウスの標本を分析した研究者グループが、初めて化石に皮下脂肪の痕跡を発見した。(PHOTOGRAPH BY BENJAMIN KEAR) 約1億8000万年前、現在のドイツにあたる場所で、イルカに似た爬虫類が死に、海の底に沈んだ。海底でその死骸は驚くべきほど良好な状態で保存された。そのおかげで、この古代生物がクジラのような皮下脂肪をもっていた可能性を示す初の証拠が見つかった。(参考記事:「大きな魚竜と新種の首長竜、博物館で見つかる」) 12月5日付けの学術誌「Nature」に掲載された論文によれば、この化石は魚竜と呼ばれる海生爬虫類の一種で、ジュラ紀前期に生息していたステノプテリギウス(Stenopterygius)
この9900万年前の琥珀の中で発見されたカタツムリは、軟部が残るものとしては最古のものになった。(Photograph by Lida Xing, China University of Geosciences, Beijing) 琥珀の中で化石化した9900万年前の小さな陸生巻貝――いわゆるカタツムリの頭部と足、目(体からつきでた部位「眼柄」という)が発見された。この標本は直径5ミリほどの大きさしかないものの、恐竜時代に生きた陸生巻貝の姿をはっきり確認できる。(参考記事:「9900万年前のカエル化石発見、熱帯雨林産で最古」) カタツムリはミャンマー北部で採取された小さな琥珀(天然樹脂の化石)の塊に含まれていた。2016年に個人の化石収集家から購入したものだ。あまり保存状態はよくないが、もう1匹のカタツムリの殻も含まれていた。この琥珀は、現在、中国広東省潮州の德煦古生物研究所に所蔵されてい
謎の印象化石を残したこの生物は、動物だったのか、原生生物だったのか、それとも菌類だったのか?化学が新たな手がかりをもたらした。(PHOTOGRAPHY BY O. LOUIS MAZZATENTA) エディアカラ生物群と呼ばれる、太古の奇妙な生物たちがいる。今から5億7000万年ほど前の浅い海に生息していたこのグニャグニャした生物たちは、地球最古の複雑な生命体でもあった。(参考記事:「5.7億年前、生物たちはなぜ複雑になったのか」) ディッキンソニア(Dickinsonia)はエディアカラ生物群のなかでも特に有名で、平べったい楕円形をしている。直径は120センチ以上になり、全体に細かい溝があり、真ん中に1本の隆起が走っている。科学者たちは長年、ディッキンソニアをあらゆる「界(生物のグループ)」に分類してきたが、この数十年間は、菌類、原生生物、動物という3つの説が有力だった。 9月21日付け
小惑星の衝突後、燃えさかる森林から逃げ出す地上性の鳥の想像図。(ILLUSTRATION BY PHILLIP M. KRZEMINSKI) 今から6600万年前の白亜紀末、直径約15キロの小惑星が地球に衝突した。爆発の威力は原子爆弾100万個分に相当し、ほとんどの恐竜を含む地球上の生物の4分の3が絶滅した。しかし、一部の系統の恐竜は生き残り、小惑星衝突後の過酷な世界を生き抜き、繁栄して、今日の鳥類になった。(参考記事:「鳥類は恐竜絶滅後に爆発的進化した」) 長らく疑問とされていたのは、白亜紀の終わりの大量絶滅を生き延びられなかった鳥もいれば、生き延びられた鳥もいたのはなぜかということだった。 このほど研究者が学術誌『Current Biology』オンライン版に発表した論文によると、小惑星の衝突とその余波により世界中の森林が破壊され、先史時代の樹上性の鳥たちが大量に絶滅したからではないか
Credit : José-Manuel Benito Álvarez, Public Domain 6600万年前、白亜紀後期に起きた大量絶滅により多くの恐竜と共に絶滅したのは、木に住んでいた鳥の先祖たちだった。今も残る鳥たちの先祖は、当時地面で生活しており、大量絶滅の後に飛ぶことを獲得した鳥たちだということが研究で明らかにされた。 絶滅した鳥たち 隕石の衝突によって白亜紀後期に世界規模で起きた大量絶滅。これにより絶滅したのは恐竜たちだけではなく、多くの植物も含まれる。現在私たちの地球に住む鳥たちの先祖である「新鳥類」は何故かこの大量絶滅を生き延びているが、新鳥類と同じく「真鳥類」に含まれる非常に近い種の中には絶滅しているものもある。なのに新鳥類たちが生き残れた理由は何故なのか?イギリス、バース大学の研究者たちはこの謎を解くパズルのピースを、化石記録や分子系統学によりつなげ、一つの回答を
ドラキュラとあだ名された空飛ぶ爬虫類の復元骨格。同じ地域から見つかった下顎の化石が、アズダルコ科の別の巨大翼竜のものとして発表された。(PHOTOGRAPH BY AART WALEN, CREATURES & FEATURES) ルーマニアで40年前に見つかった顎の骨の化石が、翼竜のものとしてはこれまでで最大であることが分かり、学術誌「Lethaia」に発表された。翼を広げると9メートル近くになる巨大な種が、今の同国中部のトランシルバニア地方にかつて君臨していたのかもしれない。 白亜紀末期、海面は今より高く、捕食者だったこの翼竜がすむ辺りは島が連なる群島だった。全ての翼竜だけでなく、鳥として生き残った以外の恐竜も絶滅した、6600万年前の少し前のことだ。(参考記事:「4つの翼を持つのに飛べなかった?新種恐竜を発見」) 新たに発表された翼竜は比較的がっしりしており、首が短く頭が大きかったと
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