トランプ米大統領の国賓訪日や大阪の主要20カ国・地域(G20)首脳会議(サミット)など華々しい外交とは裏腹に、日本の近隣諸国との関係は深刻な課題を持っているように思える。 韓国との関係は出口が見いだせない。北朝鮮についても無条件の首脳間対話の呼びかけに応えはない。ロシアについても平和条約交渉に大筋の合意をつくるという力強い安倍晋三首相の意図表明も、説明なきまま頓挫しつつあるようだ。 中国との関係は政治的停滞を脱して正常化し、関係が大幅に前進していることは好ましいが、これも米中関係の悪化を見越した中国の戦略的転換という側面が強い。対中けん制を行いつつ中国とどういう関係を作ろうとするのか日本の意思が見えない。