「自分がフィリピン人だということをいまや私たちはあまり考えるべきではない」「自分がASEAN(東南アジア諸国連合)人だと考え始めるのです」フィリピンのアラン・カエタノ外相は演説の中でそう言った。 ASEAN関連外相会談(8月6〜8日)の最終日、開催地であるフィリピンのマニラで、多くの外交官や大使らが集う中、ASEAN設立50周年を記念した荘厳な式典が開かれた。1967年バンコク宣言に署名した5人の創設者に敬意を払ったり、メンバー国首脳のビデオメッセージが流れたほか、オーケストラの演奏に合わせて東南アジア各国の多様な文化をイメージさせるダンスパフォーマンスが上演され、来賓者たちの目を奪った。 ASEANは組織としてまだまだ未熟だし、エリート主義だと批判されることもある。だが、手と手を携え、紛争の地から平和な地域へ、貧困の地から活気のある経済へと着実に進化してきた。それと対照的に、隣接する北東