STAP細胞論文をめぐって審査のあり方が問われている博士号。近年、学生の「博士」離れが進んでいる。大学院の拡大政策で博士号取得者は30年前の3倍近くになったが、博士課程への進学率は低下の一方。優秀な学生ほど敬遠しがちとも指摘され、質の低下を憂える声もある。 「博士課程への進学を勧めると不安がる…
2014-04-21 博士号を取った後、なにをするの? かがく 曰く、米国生物系博士課程の院生のうち将来テニュアトラックに乗るのは8%未満 / “Where Will a Biology PhD Take You?” http://t.co/29GYs1sFOW— オガジ (@pago_j) April 20, 2014 Where Will a Biology PhD Take You? アメリカで博士を取得した人の進路状況を図にした記事が話題になっている。 博士号を取るのに平均7年かかり、その過程で37%がドロップアウトする。実に厳しい。「日本の博士なんてコピペ論文で取れるんでしょ(笑)」と思われる人もいるだろうが、現実はそんなに甘くない。オーバードクター(博士課程での留年)は自分の周りを見ても結構いる。彼らの能力が足りないわけでは決してない。ただ、博士論文は世界で初めてのデータを元
いろいろな論点がある今回の問題ですが、深刻なのが、博士号とは何なのか、何をあらわしているのか、意味があるのか、という部分に疑問が呈されてしまったことです。 博士号なんて、コピペで取れるんだ、誰もチェックしないんだ… 多くの人達がそう思ったことと思います。それが、私は悔しくてたまりません。 何度か書いてきましたが、私は大学院時代の指導教官である浅島誠先生から、君は向いてないから別の道に行った方が良い、と言われ、博士号を取得せずに、大学院を中退し医学部に入り直しました。 自分の研究能力のなさという恥を晒すようで恐縮ですが、浅島先生は簡単に博士号を取らせてくれなかったわけです。クオリティコントロールは厳格でした。 正直恨んだこともあります。けれど、だからこそ、別の世界でがんばってやろうと奮起したし、早くから別の世界に行くことができたわけです。もしズルズルと研究を続けていたらと思うと、ぞっとします
データ分析業界の博士人材がアカデミア(学術界)から民間のコンサルタント等に転身しているひとが多いという記事がありました。 ここ最近の博士人材の動向を見ながら感じていること -銀座で働くデータサイエンティストのブログ- 大学の助教・講師・准教授・教授といったポジションは少子化の進行、大学の予算削減のあおりもあって今後は減る一方ですので、博士号を取得した人が民間に転身して活躍できる社会になりつつあるという点は極めて好ましいものだと考えます。 (上記事はビックデータといった流行の分野であるデータ分析関連だから就職がしやすくなっているだけなのかもしれませんが。 私の所属している計算機シミュレーション分野でも少しずつは博士人材の民間就職は増えつつあるらしいと聞きますが、実態はどうなのかな??) 博士号は足の裏のご飯粒だ。取らないと気になってしょうがないが、取っても喰えない 博士号持ちの人も徐々に民間
ここ最近、データ分析業界では有名な博士人材の方々が相次いでアカデミア(学術界)から離れる事態になっているようで。また、それに輪をかけるかのようにキツいオチのついたブログ記事も人気を集めている模様で。 大学院をやめました|Colorless Green Ideas 言うなれば、優秀な船員がどんどん降りていく船のように感じられた。もしかして操船する者がいなくなって沈没するのではないかとも思った。「残った船員だけでも船は問題なく動くさ」と言う人もいる。実際、船はそう簡単に沈没するものではない。だが、一度抱いた不安はなかなかぬぐえなかった。 起業しました - はやしのブログ Rev.3 ちなみに優秀であれば業界の状況はさして障害になりません。上位10人とかそういうレベルの話ですが(適当ですが、社会学は規模が小さいので)。なので、自分が優秀であるという自信があるのであれば、業界がどんな状況かは関係な
※2012/11/21追記:「"博士課程"が前期か後期かわからない」というご指摘をいただきましたので、「博士後期課程」に変更しました。最終段落に「教育環境」という文言を追記しました。 奨学金1,500万円の取り立てにあう高学歴ワーキングプア-高学費と就職難が大学院生の心身壊すという記事がありました。今日はちょっと厳しめの意見で進めたいと思います。私は博士後期課程に3年間在籍して博士(工学)の学位を取得しています。ここでの経験も踏まえてということで。 1. 今の社会制度では、博士後期課程への進学はすごく慎重に考えたほうがいい 「高等教育の機会はできるだけ増やしたほうが良い」という意見を持っていますが、博士後期課程への進学だけは慎重に考えたほうが良いという立場です。これは以下の理由からです。 博士後期課程に進学したからといって、博士号が取得できるわけではない 私が博士後期課程に進学した当時、私
の解説がおもしろく、妙に腑に落ちたので、訳してみることにした。 以下訳 --- 博士号への絵付きのガイド 私は毎年秋になると新しい博士課程学生数人に「博士号とは何か」を説明するようにしている。 言葉で表すのは難しい。 だから、絵を使うこととする。 博士号への絵付きのガイドとして、以下を読んで欲しい。 --- 人類の知識をすべて含む円を考えてみよう。 小学校を卒業するとちょっとだけ知るようになる。 高校を卒業するころにはさらにもう少し知るようになる。 学士を取ると、専門性が身につく。 修士号をとると、さらに専門性が深まる。 研究論文を読むことで人類の知識のふちにまでたどり着くことができる。 ふちに着いたら、ここに集中する。 このふちを数年押し続ける。 ふちが壊れるまで。 こうしてできたくぼみが博士号(Ph.D)と呼ばれる。 もちろん、今度は世界が違って見えるだろう。 だからこそ、大きな絵
工学部に在籍中・出身の学生の皆さんへのメッセージ (楠見が所属している京大工学部の学生諸君を主な読者と想定して書きました) 1 はじめに 大企業病はびこるジェネラルエレクトリック社(GE社)を蘇生させ、90年代前半に黄金時代を築いた、ジャック・ウェルチ(Jack Welch)という人がいる。ジャックが書いた自伝に、印象的な場面が出てくる(「「Jack」」Jack Welch著 2001 Warner社、現在、Headline社からペーパーバックが出ている)。 ジャックは、ある日、 博士研究員の先輩と飛行機に乗った。その頃は、飛行機は小さく、大衆的な乗り物ではなかったので、客室乗務員のサービスも個人的なものだった。彼女は、ジャックに、「飲み物はいかがですか、ウェルチさん(Mr. Welch)?」と尋ねた。次に、彼女は、隣席に座っていた博士研究員の人に「 飲み物はいかがですか、ゲルトナー博士(
独立行政法人・学術振興会による、DC・PD特別研究員制度の、廃止の必要性について。 (以下途中まで引用、学術振興会HPより) http://www.jsps.go.jp/j-pd/pd_boshu_f.htm 1.趣旨 優れた若手研究者に、その研究生活の初期において、自由な発想のもとに主体的に研究課題等を選びながら研究に専念する機会を与えることは、我が国の学術研究の将来を担う創造性に富んだ研究者を育成する上で極めて重要なことです。 このため、独立行政法人日本学術振興会(以下「本会」という。)は、大学院博士課程在学者及び大学院博士課程修了者等で、優れた研究能力を有し、大学その他の研究機関で研究に専念することを希望する者を「特別研究員」に採用し、研究奨励金を支給します。 また、世界の最高水準の研究能力を有する若手研究者を養成・確保する観点から、審査により、特に優れた大学院博士課程修了者等を特別
今日5月7日は「博士の日」。記念日といえば日付の語呂合わせで設定されている印象が強く、「はかせ」にちなんだ数字を当てはめたのかと思いきや、1888年(明治21年)の5月7日に25人の学者に対して博士号が授与された日なのだそうです。その「博士の日」と合わせ、研究者が30人近くも集まっているコミュニティを紹介しているエントリーがありました。 博士の日 - ズンガリガリガリズンガリガーリ 「そんな博士の一日」という名のはてなグループには、現在30名ほど大学院生や博士などの研究者が登録しています。このはてなグループ、はてなブックマークの「自分と同じグループに所属している人のブックマークが一覧できる」という機能に着目し、タブを活用して情報共有するために立ち上げられたのだそうです。はてなにはもともと研究者の方が多いようですが、こんなに集まると壮観です。 グループタブを使ってはてなブックマークを共有して
北海道大(札幌市)は、07、08年度の論文博士の学位審査で、大学院農学研究院など理系3学部の大学院の担当教授ら9人が、学位取得者7人から謝礼の金品計約60万円を受け取っていたと22日発表した。同大は、横浜市立大で謝礼金の授受が明らかになった08年3月以降の授受を認めた4人について訓告処分とし、返還を命じた。 逸見勝亮副学長は記者会見で「こうしたことが大学で起きたことは誠に恥ずかしく申し訳ない」と陳謝した。 大学の内部調査によると、もっとも多く受け取っていたのは学位取得者2人から計15万円を受け取った教授。この教授を含め2人が現金を受け取り、ほかは商品券や土産などを受け取った。授与式後に菓子折りなどと一緒に受け取っており、「審査には影響していない」としている。 博士号の論文審査は年4回あり、主査と副査で審査する。今年2月、論文博士の審査をめぐり、1人の教員名をあげて「謝礼を受け取った疑
神経科学系のポスドクが、脳研究に関する論文のreview・インド料理・ワイン・テニスその他についてマニアックに綴るblog 【ドクター・ポスドク問題】 (注:初めて当blogにおいでになった皆さんには、ドクター・ポスドク問題についての過去エントリも合わせてお読みいただけると幸いです) 長らくこの手の問題についても全然発言せずに来てしまいました。 なんですが、先日のNHKのクローズアップ現代でポスドク残酷物語について取り上げたようで、そのとばっちりを受けてか当blogにやってこられる方が増えているようです。あの5号館のつぶやきでもstochinaiさんが辛辣な記事をお書きになっておられるようですね。コメント欄でも大激論が繰り広げられているようで・・・そんなわけで、僕も最近聞いた話をベースにちょっとこの問題にういて書いてみようと思います。 ・・・とある地方の大学院のお話。そのM2の大学院生は
あの手この手で若者を搾取しようとたくらむ日本の社会構造の中で、最も悲劇的なものの一つが、博士号をとりながら研究の現場からはじき出される大量のポストドクターたちであろう。この番組では、世間でもよく知られるようになったポスドクの問題に切り込んだ。がんばって研究しても就職が無いので、博士に行く人は年々減っているそうだ。当たり前である。 本人も家族も納得いかないこの問題。おそらくは幼少時より神童と言われ、東大・京大に入ったような秀才が、10年近い高等教育を受け、高い学費を払った上で、何の職にもつけないのである。番組では受け入れる企業の問題、後先考えず博士課程の定員を増やした文部科学省、融通の利かない専門バカである博士自身など、様々な問題が指摘されていた。 どっちかというと、優秀な頭脳を生かせない企業側や、世間の常識からずれたポスドクにその問題があるかのような論調が多かったが、私は確信犯である文部科
ポスドク, 雑感 | 21:07 | アカデミアの研究の一線を退いた上に、海外のバイオテクカンパニーで働いている身分で、いまだに日本のポスドクネタでひっぱって申し訳ないのだけど、どんなに「博士」の価値が(日本国内で)低下しようとも、最前線の研究者として世界と渡り合うためには博士号の取得はミニマムリクワイアメントですよ、ということをここで記しておこうと思った。その逆に、世界を相手にしない研究なのであれば、別に博士号は必要ないし、ましてや借金までして取得するほどのものでもない(むしろ取得しない方がプラスに働く)。どちらが良くてどちらが悪いというのではない。自分が日本国内の市場を相手にすることに人生の意義を見いだせるのであれば、それはそれで良いと思うし、そうではなく、視線が国外を見ているのであれば、世界が「博士」をミニマムリクワイアメントとしている以上、その規則に従うしかない。特にアカデミアの研
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