サッカーで、うまいといわれる審判は試合に溶け込んで目立たないという。柔らかな表情で「ピッ」と短く吹いた笛にはファウルした選手も納得するが、「ピ、ピ、ピーッ」とヒステリックに吹かれると「なんだよ」とつい反発したくなるとか。横断歩道以外を渡っていて運悪く見つかった、おまわりさんの笛と同じかもしれない。 W杯アジア最終予選の豪州戦では、やたらに笛を吹いたサウジアラビア人主審が目立ちすぎた。つまり下手くそだからだ。後半10分、豪州選手に退場となる2枚目の警告を出したが、「レッドカードがなかなか出なかった。2枚目とは気づかず別の選手と思っていたようだ」と専門家は指摘する。 大観衆も敵に回し、ホーム側に退場者を出すのは相当勇気がいると聞く。1人減った豪州が1点取られ「大変だ」とばかり、今度は豪州にPKを与えた。帳尻合わせに見られても仕方ない。最後に本田がFKを蹴れずに終わったのもルール上問題ないが、ま