駒崎さんには悪いが、アゴラは論争の場なので、あえて彼の提案に反対意見を書く。「経済格差が学力格差を生む」という彼の主張は正しいが、給付型奨学金はその解決策にはならない。以前の記事でも書いたように大学教育への投資と人的資本形成には相関がなく、大学は社会的浪費だから、これ以上公的投資を増やすべきではない。 しかし大学の私的収益率は高い。人的資本が形成されなくても、学歴のシグナリング効果が大きいので、大卒の生涯所得は2億5000万円で高卒より5000万円多い。授業料を400万円としても投資利回りは10倍以上だから投資のインセンティブが十分あるので、奨学金は必要ない。 ただし貧しい家庭の優秀な子どもが学歴を得られないことでよい職につけないのは不公平なので、資金繰りを支援する貸与型奨学金が合理的だ。その教育に十分な効果があれば、学費は将来の所得で返済できるはずであり、返せないような大学には行くべきで