1960年代、優秀な若者は当時の花形、繊維業界を目指した。その後、対象は電機、自動車、そして金融へと変わっていった。 そして今、若者たちの関心はコンサルティング業界、特に外資系に向いているらしい。聞いてみると、「各界で活躍する人の中に外資系コンサルティング出身者が多い。スキルが身に付く」という。しかし当のその業界出身の私にしてみると、違和感がぬぐえない。いつの世も若者たちは斜陽寸前の業界を目指すのか…教訓は世代を超えて受け継がれていかないのか…と。 コンサルティングの歴史は浅い わが国のコンサルティング業界の歴史は半世紀にも満たない。高度成長に入った頃、日本にはまだ存在しなかった。それが1960~70年代、米国系コンサルティング企業が海の向こうから黒船のようにやってきた。日本の拠点の設立はボストン・コンサルティング・グループ(略して『ボスコン』)が1966年、そしてマッキンゼーが1971年