日本人は「エコノミックアニマル」と嫌われていた 【中田】今、トルコにおける東アジア研究のモデルケースをつくろうという、世界征服の計画を立てているんです。 【内田】世界征服……。文化戦略ですか? 【中田】そうなんです。「ジャパン・アズ・ナンバーワン」と言われていた時代は、ほんとうに日本が豊かだったんですが、今にして思うと、そのときに日本が世界によいものを残したのかというと、多分何も残ってないと思うんです。 その頃の日本人は実に精力的に世界中で日本製品を売りさばいていました。しかしその実態はというと、下世話な話になりますが、金を積み女を抱かせて現地の腐敗した政権に食い込んで利権を獲得して暴利を貪っていた。そんな日本人はエコノミックアニマルだ、と言われて批判され、まったく尊敬を得ていなかったんです。 唯一尊敬されたものがマンガとアニメ 【中田】もちろん中には例外的にいい人もいたのでしょうが、しか
本書は印象的なエピソードから始まります。著者(山本直輝氏)はトルコの国立マルマラ大学でイスラーム学を教えていますが、著者が日本人だと知ったトルコ人の神学生から「心臓を捧げよ」と日本語のアニメ『進撃の巨人』の台詞で挨拶をされました。 現代の日本には「本物の神学生」はいないので、「神学生」と聞いても皆さんの中でもピンとくる人は少ないでしょう。日本史に興味がある人なら、比叡山の延暦寺や高野山の金剛峯寺を思い浮かべてください。子供の頃から、出家して寺に住み込み、朝から仏道の修行に励みながら教学の勉強に明け暮れるのが神学生です。特に修行として学問を深める者を学僧と呼びます。延暦寺を建てた天台宗の開祖最澄、金剛峯寺を建てた真言宗の開祖空海もそうした学僧であり、栄西、法然、親鸞、日蓮ら鎌倉新仏教の開祖たちも延暦寺で学んだ学僧でした。 しかしムスリム世界には、そういう「神学生」が今も世界中で何千万人も学ん
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