1年後のきょう、消費税の税率は10%に上がる。 法律でそう定められている。しかし本当に10%になるかどうかは、安倍首相の決断次第だ。 もともとは2015年10月の予定だった。民主党政権時代、消費税を政争の具にしてはいけないと、野党だった自民党と公明党も合意して成立した法律が、根拠になっている。 しかし安倍首相は繰り返し、選挙を戦う道具として消費税を使ってきた。4年前は増税の先送りを決め、「国民に信を問う」と衆院を解散した。16年の参院選の直前には「これまでの約束とは異なる新しい判断だ」として、2度目の延期を決めた。昨年は、増税で得られる税収の使い道を変えるとして、またも国民に信を問う戦略をとった。 来年は統一地方選や参院選がある。政治的な理由で、3度目の延期をすることがあってはならない。 政府は年内にまず、所得の低い人たちに配慮し、増税前後の景気の起伏をなだらかにするため、経済対策をまとめ